2.廻る歯車

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関西ってどのあたりなんだろう、京都も大阪もいいなぁなどと考えていると、母親からおもいがけない一言が出てきた。 「青木さんに頼まれたのよ。灯くん、ゼミの研究が結構忙しいらしくて、放っておくと何も食べないからって」 「え……でももう、大学生だし……」 灯の近況を母親から聞かされて、あの日疲れた顔をしていたのもそのせいだったのかなと脳裏をよぎる。それと同時にいくらなんでも大学生にでもなれば食事ぐらい自分でなんとかするのではないだろうかとも思う。 「母さんが行くより明里が行った方が灯くんだって嬉しいでしょ。ほら、さっさと行ってきなさい」 「え、ちょ、さっき、あとでって」 いつの間にか母親はできあがった料理をてきぱきとタッパーに詰めていた。ポテトサラダにほうれん草の白ごま和え。ハンバーグやロールキャベツはレンジでチンをすれば食べられるようになっている。紙袋に詰められたそれを渡されると明里はとうとう逃げ場をなくした。 「っ、行ってきます」 「一緒に食べてきてもいいわよ」 「すぐ帰ってくるってば!」
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