2.廻る歯車

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キッチンに立って母親から持たされた料理を皿に盛っていく。まだ暖かいものもできれば熱々のものを食べて欲しいと電子レンジで温めた。ダイニングテーブルに並べると、少し猫背気味の灯がのそのそと歩いてきてテーブルに腰掛けた。 「おばさんの料理久しぶりかも。いただきます」 きちんと手を合わせてご飯を食べている姿をみるとどこかほっとしている自分に気づいた。最近たまたま会うことが多いけれどいつも疲れた顔をしていたから、こうして生命活動を行ってくれていることにどこかほっとしたのかもしれない。 一緒にご飯を食べることなんて当たり前だったのに、この二年半で大分変わってしまったことが少し寂しくもあった。 「ごちそうさま。まだおかず残ってるの?」 「うん、あと二食分ぐらいは」 「そっか。おばさんにお礼言っておいて」 あっという間に食事を平らげた灯は食器を台所に持ってきた。当たり前のように明里はその食器を洗う。今までがそうだったように流れるような作業だった。明里は残りのタッパーを冷蔵庫に入れて、この具材はどのくらい暖めるのかとメモを書いて冷蔵庫に貼った。
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