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訪れたのは雑誌でも有名なレストランだ。明里がバイトの休憩中に「行ってみたいな」と漏らしたのを聞いていた辰巳が連れ出してくれたのだ。
「元気ですよ! ここのランチもケーキもとってもおいしくて、今度みんなに自慢しちゃいます!」
ランチのサーモンパイもとてもおいしかったし、目の前にはティラミスとコーヒー。とても贅沢なランチだ。テラス席は少し寒いからと店内の座席を選んだけれど、木目調の店内は雰囲気も暖かくて、窓から見える風景も木々がおいしげっていてとてもリフレッシュした気分になる。
「そっか。ならいいんだけど。このあとどうしようか」
コーヒーカップを持ち上げながらそう訪ねてくる辰巳はすごく絵になる。灯が他の女の子と関係を深めていくように、自分も一歩先に進まなければと思った。辰巳と付き合おうとそう決心してやってきたデートなのに心は明るくなるどころか、どんどん重くなってきてしまう。
「私は特に……。辰巳先輩がいきたいところがあれば」
「う~ん、そっか。じゃあ……」
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