きみに、恋う。

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「……しのざき、」 「…なに、」 「……最後、さみしい、かも」 「……うん、俺も、そう思う」 自分の声が震えていて、それから、篠崎のほっぺたがほんのりピンク色で、わたしの顔はたぶん真っ赤で。 ふたりして、酷い顔をしているんだ、きっと。 写真なんて撮れなやしない。 篠崎のほうを見れば、やっぱり私のことを見下ろしていて、先に口を開いたのは篠崎だった。 「……おい、顔、真っ赤だよ」 「篠崎に、言われたくないんですけど」 「……あーー、もう」 自分の髪の毛を、わたしのスマホを持っていないほうの手でぐしゃぐしゃと掻いて、せっかくセットしてあったであろう黒髪がぼさぼさになる。 その仕草だけでなんだか伝染するように恥ずかしくなって、自分でも信じられないくらいのか細い声で篠崎の名前を呼んだ。 「あ、のさ、」 「っ、なに、」 「──卒業しても、会いたい、から」 「……っ、」 「会って、くんない?」 「……、あう、」 「…おー、」 「……わたしも、そう思ってた」 「……っ、そりゃ、どうも」
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