きみに、恋う。

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初めて撮ったツーショットは、ふたりとも顔が真っ赤で、黒歴史確定だと思った。 わたしたちはそれ以上何も言い出せなかった、 無言のまま、シャッター音だけが響いて、すごく気まずかった。 わたしは篠崎に好きとか言えなかったし、篠崎はわたしにそれ以上何も言ってこなかった。 ぎこちない空気は、清水のちょっかいの声で一瞬で終了した。 「お前ら、なんかあったん?」 「……はあ?なんもねえし」 「なんもねえし!」 「…ふうん?」 にやにやと口角を上げて見世物みたいにみんなの視線を浴びるから、恥ずかしすぎて耐えられなくて篠崎の背中をぐーぱんしてやった。 お返しとばかりに頭に肘を置いて全体重かけてくるから、結局いつも通りのわたしたちに逆戻りだ。 「痛いんだよ暴力女!」 「うるさいんだよアホ男!」 けれど、確実に、ちょっとだけ、変わったこと。 「……連絡、する」 「……ま、ってる」 ぶつかっていた右腕と左腕が離れる瞬間に落とされた言葉に、また心臓が嫌いな音を立てて、知らんふりしてそこから離れた。 ちょっとだけそれが惜しかったことは、次ふたりで会ったときに伝えようと思う。 それから、ここに置き去りにするはずだった気持ちはもう少し大切にしてみようと思う。 だから、次会うときこそ、素直になるから、 今日みたいに、わたしの話を聞いてほしい。 それからまた、わたしたちらしく。 少しずつ、君の特別になりたい。
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