彼氏くんと彼女ちゃんの話 3

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***** 夏休みに入った。 本日は、自分も彼氏もクラブ活動がない日だ。 夏休みといえど、自分は吹奏楽、彼は野球と部活ゆえに学校にいくことはよくあった。 登校時間が重なる日はやはり一緒に学校に行っている。 幼馴染でお向かいさんの関係ゆえに、二人で登校することを親は何も言わない。 むしろ、親同士が顔をあわせれば『いつも娘がお世話になって……』と世間話に花が咲く。 が、今日は学校もない。 そして暑い。 まあ、夏なので仕方ないのだけれど、暑い。 こんなに暑くて気力も削げる時に、宿題なんてやってられるか! ということで現状宿題も見送っている。 ……ゆえに、退屈だ。 よし、RINEをしよう。 『おーい、何してるー?』 既読 『暇すぎてどうしよう』 既読 『暑すぎてなんもやる気しなーい、ヘルプミー』 既読 『かまってよー』 既読 『おーいって! もしもーし?』 既読 『スルー激しすぎやしませんか! 禿げし彼とは祈らぬものを』 既読 『く……渾身のギャグまでスルーするー?』 既読 ……むむむ。 既読がつかないならともかく、既読無視とは酷く虫の居所が悪い。 そう思っていたら、彼から返信がきた。 『ただいま夏風邪でへばっております。 ピーッという発信音の後にお名前とご用件をお話しください』 ……むむむ。 やりおるな……! いや、夏風邪? なんですと……?
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