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「聖女様っ!!」
ジークさんの声と共に身体が吹き飛ぶ。勢いよく景色が流れていく中で、驚いた顔をする侍女の顔がやけに目についた。
「う、ぐっ」
長いようで短い滞空時間の後、受け身も取れずに地面に落ちた。強く身体を打ち付けたせいで上手く息が出来ない。
「……っは、聖女、様。無事?」
近くで聞こえたジークさんの声に、何とか身体を起こす。
「……ごめんなさい」
ジークさんが間に入って攻撃を受け止めてくれなかったら、私は死んでいただろう。
「僕の方こそごめん。無傷で受け止めるはずだったんだけど」
吹き飛ばされたと苦笑して、ゆっくりと立ち上がった。
「僕が時間を稼ぐ。その間に聖女様は逃げ、」
「逃がすと思うか?」
「がっ!」
一瞬で距離を詰めてきた勇者は、ジークさんを殴り飛ばす。そして突然、後ろに剣を突き出した。
剣は空気を割いて、勇者に攻撃を仕掛けようとしていた侍女の胸を貫く。
地面に膝をついた侍女を見下ろして、勇者は嗤った。
「ははっ!聖女を殺されたら困るもんな。流石のお前でも焦ったか?動きが単調だったぞ」
「……ふざけ、るな!国に逆らってただで済むと思っているのか……!」
「お生憎様。お前らが散々俺達を利用し続けたおかげで、今や俺と妹しか生き残っていない。その妹も取り戻したし、もうお前らに従う理由なんてないんだよ」
躊躇もなく剣を引き抜いて、あっさりと侍女の首を跳ね飛ばした
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