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「何だ、お前」
「私は除霊師です」
「除霊師……何だそれは?」
「体に憑いている霊を取り除く人のことを差します。珠奈さんに言われ、あなたを救いにやってきました」
「珠奈に」
砂原は持っていた手紙を差し出す。
「預かりました」
咲哉は手紙を読む。
『夜さんの言うことを聞いて』
「珠奈の字……」
「珠奈さんは刑務所の外に止めた車内で待機しています。珠奈さんは憑依体質ではありませんが、あなたの近くにいて、万一、悪霊に取り憑かれたら大変ですので」
砂原の言うことにまだ疑いを持ちつつも、珠奈の手紙は本物だと確信した咲哉は、意を決して口を開く。
「……話を聞くだけ、聞こうか」
「除霊師の中には霊感がない人もいます。私は霊感が強く、霊がはっきりと見えるほうです」
「霊……」
「ボルトですね」
「え?」
「あなたに憑いている死神は」
咲哉は目を見開いた。
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