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「……何故、知ってる?」
「珠奈さんが持っていたあなたの写真を通して、あなたに憑いている死神を拝見しました」
「写真から分かるのか?」
「はい。ボルトは死神の中でもかなり有能です。どの人間が憑依体質か瞬時に見抜きます。狙った獲物を離しません。捕えた獲物は、彼の拠点である廃墟に転送し、水晶玉を利用して夕立が襲いかかるたびに獲物が廃墟へ移転するようにし、他の悪霊を利用して、獲物に罪をなすりつけ、苦しむ姿を観覧します」
「………」
「ボルトは自ら手を下したりしません。だから犯罪者の霊を仲間にして、自分はなかなかこの世界に降りずに、廃墟にある水晶玉を使い、高みの見物をするやっかいな存在です」
砂原がそう言いきると、咲哉の反応が変わる。
「……その通りだよ。あんたはボルトに会ったことがあるのか?」
砂原は頷く。
「……私もボルトに罪を着せられた一人なので」
「何だって?」
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