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「通路を絶ちたいんです。ボルトはこの世に降りた状態でも水晶玉の電源を上げることができますが、降りた後で電源を切れば、夕立の雨が上がる十分ほどは廃墟に戻れずに、時間稼ぎができます」
「そんなものどこにある?」
「水晶玉の正面に白の小さな点が見えます。それがボタンです。廃墟に転送された後、確認すれば見逃さないはずです」
「………」
「チャンスは一度きりです、失敗はゼロと言えません……やりますか?」
咲哉は躊躇しなかった。
「……あんたは信じられそうだ。頼む、これ以上俺は罪を犯して、死刑になりたくない。何とかして助けてくれ」
砂原は頷く。
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