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ボルトはまっすぐに砂原を見つめる。
「あなた、今私に何かしましたか? 私の仲間が突然姿を消したのですが」
砂原は、ボルトを見つめ、黙ったまま微笑む。
するとボルトは天井を見た。
「おや、水晶玉の電源を切られましたね」
ボルトは、砂原に目線を戻す。
「咲哉は水晶玉にある電源の存在を知らないはずです。あなたの入れ知恵ですか?」
「……ええ」
「水晶玉の存在を知っているということは、あなたも私の廃墟に訪れたことがあるようですね?」
砂原は表情を変えない。
「思い出しました……砂原夜、いつかの負け犬除霊師じゃないですか」
砂原は黙っている。
「砂原家のあなたが苦しむ姿は最高でした。
仕返しに来たのですか?」
砂原は尚もボルトをまっすぐ見ている。
「懲りない人だ。あなたは一度私に負けているんですよ? 私を除霊しようとしたから、六年前、あなたは大切な弟さんを自らの手で殺すはめになり、犯罪者にもなり、砂原家からも追放されたのでは?」
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