*73* 赤いギンガムチェックをまとって

2/6
前へ
/595ページ
次へ
  *  *  *  君は三つ星シェフか? とため息をつきたくなる凄腕ジュリくんの影に忘れ去られがちだけど、あたしだって、腹ぺこで暴れるちびっこモンスターたちを黙らせていた実績がある。  大学に入学、就職してからも研鑽を忘れず自炊に励んでいた、努力家星凛さんなのである。  ふっふっふ……秘められしそのスキルを、遂に発揮するときが来たようだな。 「やったるでぇ!」  赤いギンガムチェックのエプロンと三角巾が、今日のあたしの戦闘服だ。 「醤油と料理酒とみりんあります!?」 「ほいよ! 分量はどうする?」 「適量からの適量からの適量で!」 「卵はこっちにといてあるからね!」 「ありがとうございます! だしで巻いてやらぁ!」 「ライスの炊き具合もバッチリだよ! ん〜、ツヤツヤもっちもち!」 「よっしゃいい感じに立ってるぜ、待ってろよ握ってやらぁあああ!!」  キッチンのことなら何でもござれ。アンジーさんのナイスサポートを受けながら奮闘すること小一時間、あたしは、やり遂げました……!
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加