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第2話 それで修理代15万円ちゃらにしてあげるから
「うわっ。す、すみません!」
周りと同じように固まっていた私の脳にまずいことをしてしまったという伝達がようやく届いて、私は慌てて頭を下げる。
頭を下げた視点で落ちた機械を近くで見ると部品がいくつか欠けていた。
「……うーん。残念だけどこりゃ弁償だね」
その言葉を聞いて頭を上げると、口元を緩ませる女の姿が目に映る。
「私たちの部活の大事な備品があなたの不注意で壊れちゃったんだもの。あなたにその分のお金を払ってもらわなきゃ」
「え……そんな……」
「ごめんなさいね。私も心苦しいんだけど、ざっと修理費15万円」
手を差し出してくる女。そんな大金を学生の私が今持っている訳ないのに。
どうしたらいいのか分からない。大体この女は一体何なのか。同じ制服を着ているのに校則違反であるはずの髪染めをしている。茶色がかった髪に田舎の高校では珍しいギャル風の佇まい。雰囲気的におそらく先輩ではあると思うけど。
私も前を見てなかった。でも、ぶつかったということは相手も不注意か何かで避けれなかったということ。それなのに一方的に修理費要求なんてこれじゃまるで当たり屋だ……。ずっと軽い口調のままだし……。
「なーんてウソウソ。からかっただけだよ」
差し出した手をそのまま振りながら女が急に態度を変える。
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