おやすみ

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 私は学校へ向かう。今日は曇りだ。灰色の空がどんよりと広がっている。十五分ほど歩いて駅に着く。階段を上って改札を通り抜け、今度は階段を降りてホームへ行った。以前この駅で一人、神社に連れて行ったことがある。私はこんな人助けをいつまで続けるのだろう。苦ではないが友達を騙しているのがつらい。  電車に乗って流れる景色を見る。駅の周辺はマンションやビルがあるがすぐに住宅街になってちらほらと田んぼも出てくる。  学校に着いて部室に行くと星奈はもう来ていて私を見ると口角をあげた。 「明日、十時に美緒の(いえ)に行くからね。お昼はコンビニで何か買おうよ」 「いいよ。雨が降らなかったら向日葵畑の近くの公園で食べようか?」 「あ、それ、いいね」  ユニフォームに着替えて体育館へ行く。後輩の女の子はストレッチをしていておじさんはその横に居た。私はおじさんを手招きして呼ぶと小声で言った。 「娘さんには今日、会えるからね」  部活が終わってみんなが部室に行った。私はおじさんに「ここで待ってて」と言うとおじさんは頷いた。私は微笑んでみんなのところへ行き、制服に着替えた。半そでのシャツに膝より少し上のスカート。スカートはチェックだ。  体育館に行ってまたおじさんに言う。 「私の後について来て。たぶん、おじさんが住んでた町に行くからね。娘さんにもお父さんが来るって言ってあるよ」 「そうか。それじゃ、行こう。成仏しないとな」  私は駅に向かって歩いた。曇りで雨は降っていない。でも降り出しそうなので赤い傘は持っている。
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