おやすみ

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 星奈が玄関を開けてくれたので中に入った。左手に下駄箱があってパッチワークで作った壁掛けが飾られている。 「ただいまー」 「おじゃまします」  玄関をあがる。星奈に案内されて二階に行った。来たことのある星奈の部屋に入る。ベッドに折り畳み式のテーブル。勉強机が置かれている。星奈はクッションを指した。 「座って、座って、今、ジュースとお菓子を持って来る。スズの様子も見て来るね」 「お構いなくね。スズに会いに来たんだから」  星奈は頷いて部屋を出て行った。  雨は徐々に強くなって傘を差していても濡れた。私は扇風機の前に行って風をスカートにあてる。暫くそうしていると星奈が戻って来た。コーヒーが入ったグラスとクッキーが乗ったトレーを持っている。 「コーヒーで良かったかな。ミルクとガムシロップもあるからね。クッキーはお母さんが焼いたんだって」 「ありがとう。星奈のお母さんはまめだね」 「専業主婦だからね。あ、スズ、見て来たよ。猫用のベッドで寝てる」 「じゃあ、少し経ったら私も見に行く。連れてくるんじゃ嫌がるかもしれないものね」  星奈は頷いた。
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