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次の日、学校へ行くと、教室へ入る。星奈が鈴本くんと話をしていた。私に気付くと星奈が手招きした。
「スズ元気になったよ。今朝は餌を食べても吐かなかった。ネズミの玩具でも遊んでたんだよ。美緒のおかげ。鈴本くんにも報告してたの」
「そう、良かった」
私は口角をあげた。
リュックを置きに席へ行く。椅子に座って荷物を引き出しに入れると窓の外を見る。今日は曇りで雨は降っていない。遅刻ぎりぎりの子が走って門を通過している。私は今は朝練が一時的に顧問の都合でない。だがいつもは朝練なので遅刻をしたことがない。
星奈は鈴本くんと話し終えて私のところに来た。
「ねえ、日曜日、美緒の家に行ってもいい?近くに向日葵畑があるでしょう。一緒に見に行こうよ」
近くといってもバスで十分の場所だ。向日葵の背丈が伸びると迷路を作ってくれる。まだ迷路はやってないだろうが見に行ってもいいな。
「いいよ。雨じゃなかったらいいね」
「ね、週間天気予報だと曇りだったよ」
それにしても星奈は本当に花が好きだな。私は笑顔になった。
お昼休みになった。鈴本くんが私のところへ来た。
「猫を元気にさせたの凄いな。家のアメリカンショートヘアの具合が悪くなったとき頼むよ」
それは霊に憑りつかれていた場合しか元気に出来ない。私は言った。
「たまたまだよ。鈴本くんは猫が好きなんだね」
「ああ、だから病気になられちゃうとつらいんだ」
私は頷いた。家は私が小さいときインコを飼った。死んでしまったとき大泣きしたのを覚えている。インコは七年生きた。だから寿命だったのだと思うが……。私は卵焼きを食べながら頷いた。
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