がらくたサバイバル

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 田舎に住んでいる分、ネットでなんでも気軽に購入するのが習慣づいていた。  服もかばんも、このおしゃれな街に持って来なければいけない物はたくさんある。アルバイトを始めたら、夢にまでみた流行最先端のショップが揃う街で買い物を楽しむ予定だし。  服以外にも、好きなアイドルのDVDや大量のグッズ、趣味のUFOキャッチャーでゲットした数々のぬいぐるみたち。  できる限りは実家に置いてくるつもりだけど、こっちに来たら地元とは比べものにならないぐらい、グッズショップやゲームセンターだって充実しているはずだ。  これからも持ち物はますます増えていくに違いないのだ。  実家は土地の広さだけが取り柄の古い日本家屋で、兄ふたりが独り立ちしてから空いた部屋は、わたしの衣裳部屋や荷物部屋と化していた。  それに匹敵するレベルは無理だとしても、部屋が所有物を抱え込めるキャパシティは、夢の大学生活を送るための前提条件と言えた。  そんなわたしの要望を受けて不動産屋が勧めてきたのが、今住んでいるワンルームマンションだ。  このあたりでは破格の家賃(と言ってもやっぱり高い)で、その代わりあちこち老朽化しているし、大学からも最寄り駅からも遠い。  最上階の三階だからか、生活音が漏れてこないことだけが救いだった。  問題の収納スペースはと言えば、押し入れは確かに大きく作られている。少なくとも内見に行った物件の中では、段違いの広さを誇っていた。  それでも住み始めて何か月もしないうちに、押し入れは物であふれかえり、奥の壁など到底見えない状態に落ち着いた。  依然としてわたしの頭にあるのは実家の広い収納スペースなので、出先で欲しいなと思った物は何も考えずに買ってしまうのだ。
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