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流されるままに哉多のペースに乗せられたら。あとで後悔しかない、って結末になりそうな気がする…。
ようやくきつく締めつける腕を放してくれた。何を言い返すよりまず、ぷはぁと大きな息をついてより多くの酸素を求めてるわたしの頭を愛おしそうに撫でながら、奴はしみじみと満たされた声で囁いた。
「さっそくうちの親に眞珂を引き合わせなきゃなんないな。早めに顔合わせの予定入れよう。…そうだ、今からお前の部屋行っていいよな?やっぱり一緒のベッドで眠って、明日の朝お前の隣で目ぇ覚めたいもん。そっと静かに入ってけば牛柄も許してくれるよな。今日は特別だから」
乱れた呼吸がようやくおさまったわたしの前髪をかき分けて微妙にいつもと違って見える微笑みを向ける。それから仰向かせて優しく唇にキスすると、何だか甘味の滲んだ声で語りかけた。
「何たって俺たち、結婚して。夫婦になるんだもんな。…絶対幸せにするよ、眞珂」
《第11話に続く》
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