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『俺達のオ休み』
礼央「なぁ、物置でこんなの見つけたんだけど、やってみないか?」
リナ「えっ、何々?」
いたずらの相談が一段落すると、礼央が持ってきた物にリナが早速くいつく。
トモ「あっ、人生ゲームじゃない」
隣にいたトモが礼央から箱を受け取りながら言った。
ナオ「へ~、面白そうじゃん。やってみようぜ」
土曜日の午後。
こうして四人の男女による熾烈なゲームが幕を開けた。
リナ「じゃあ、まずは私からね」
そう言うとルーレットを回す。
リナ「・・・4っと」
トモ「『投資に成功して1億円GET』だって」
マス目の文字を読み上げる。
礼央「おっ、いきなり大金持ちだな」
ナオ「たったこの紙切れ一枚で1億だもんな。よくよく考えたらとんでもないゲームだな」
トモ「まだ始めたばっかじゃない。次は礼央君だよ」
礼央「おう。・・・2か」
トモ「2マス目は『テストで100点。お小遣い1000万円GET』」
ナオ「やっぱ額がとんでもないな。てか、本当に礼央が100点取ったら1000万くらい貰ってもいいかもな」
ナオだけでなくトモとリナも笑う。
礼央「お前ら次のテスト見とけよ」
リナ「100点取ってくれるの?」
礼央「いや、40点ぐらいかな」
苦笑いの礼央。
トモ「まぁ、せいぜい頑張って。じゃあ、私の番ね。いくわよ~、・・・やった!6だ」
リナ「さすが。『宇宙海賊から地球を守った。国からのお礼で100億円貰う』」
ナオ「いや、いきなり100億かよ。てか、地球守って100億ってどうなんだ?にしても、数秒前まで無一文だったのに」
本気で羨ましがるナオ。
でも、次の番は自分。
今のところみんなプラスだから自分もこの流れに乗らなくては。
礼央「よし、ナオぶちかませ」
みんなの視線がナオの手元に集まる。
ナオ「いくぞ~・・・それ~!・・・よし、6!じゃなくて1」
ルーレットの勢いが落ちず針が1にまで届いてしまった。
リナ「まぁまぁ、まだ一回目だから」
トモ「そだね。えっと~、1マス目は『腹痛で1回休み』」
みんな「・・・」
ナオ「いや、シンプル~!!今まで何億とかの話してたのに、俺だけ腹痛って」
トモ「本当、人生って何が起きるか分からないわね」
礼央「だな」
リナ「とりあえず次は」
三人声を揃えて『ナオ休み』
この後四人はそれぞれの人生を積み重ねていくことになる。
もちろん時々『お休み』をはさみながら。
〈おわり〉
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