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その夢はすごく怖かったから島に行くのも怖くなって、私はココちゃんと眠るのをやめて本棚のすきまにお座りさせるようにした。ココちゃんはうつむいて少し悲しそうに見えたから、ごめんねって頭をなでてからベッドに入ったの。そうしたらもう夢は見なかった。
いっしょに寝なくなって何日か過ぎたある晩、なんだか本棚のココちゃんが急に気になった私は、久しぶりにココちゃんをだっこして眠った。
「ココちゃん!」
いつもの島にココちゃんはいた、でもなんにも言わずにだまって海の方を指差してる。見たら波の上を静かに歩いてる人がいてそれは、伯父さんだった。でも私たちのいるところじゃない方に向かってるから
「伯父さーん! こっち、こっちだよ」
大声で呼びながら一生懸命に手をふった。伯父さんは気がついて、安心したようにニッコリ笑ってこちらの方に歩きだした、と思ったらすぐ目の前にいた。
「伯父さん帰ってきたの? ココちゃんと仲よくなったんだよ私」
伯父さんはやさしく微笑みながら、ココちゃんと手をつないでいる私の頭をなでてくれた。
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