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そう言って急に走り出した。だから私もココちゃんもいっしょになって走った。みんなでものすごく走って、走って、走って、そしたらわかんないけど急に涙がたくさん出てきて、私は砂浜に座りこんで大声で泣いちゃった。
ココちゃんはとなりに座って、私の頭を撫でてくれた。その手はとてもやさしくて温かくて、伯父さんそっくりだった。心臓がどきんとなってそして私は、いちばん大好きだった人を永遠に失くしたことを実感した。伯父さんは止まらずにどんどんどんどん走っていきやがて、見えなくなってしまった。
伯父さんとはもう二度と会えないんだ。
私は初めて味わう深い悲しみにどうしていいかわからずただ、泣くしかなかった。そんな私の横でココちゃんは、何も言わずにそっと寄り添ってくれた。
海は静かに波を寄せ、砂浜がまっ白くひかってとても、とてもまぶしかった。
……ふと気づけば私は雑多なダンボール箱に囲まれながら、お人形を握りしめて泣いていた。思えばあの時が、近しい人を亡くすという私にとって初めての経験だった。月日は流れ父は数年前に他界しそして二週間前に、母も。
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