おじさんがくれたお人形

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「恵美、お母さんから聞いたぞ。大学行きたくないって、他に何かしたい事でもあるのか?」 「え、別にそういうわけじゃないけど……」 「だったら、まず大学に行ってから考えればいい。学生生活を送るうちに、いろいろな事が見えてくるさ」  父は母よりはマシであったが、とにかく大学に入れてしまえばなんとかなると思っているようだった。高校生なんてまだまだ子どもで何もわかってないんだから、適当に言いくるめてしまえば良いというわけだ。  予想していたとはいえ、そんな両親の態度に恵美は失望しますます頑なになっていく。初めのうちは優しく諭すような口ぶりだった両親も、恵美の強情な態度に苛立ちをあらわにするようになり、激しい口論になる事もしばしばだった。 「いいかげんにしなさい! 今どき大学すら出てないなんて、まともな人間扱いされないわよ!」  母は地元のお嬢様学校出身で、中学から大学までエスカレーター式で行った人間だ。 「お母さんなんて何も考えずに大学出てすぐ結婚して専業主婦やってるだけじゃん。そんなのがまともだなんて、私は思わない!」
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