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「ココちゃん、この子はココちゃんにする!」
海のむこうのどこか遠いところに行ってた伯父さんが、私にくれたそのちょっと不思議なお人形を、私はそう呼ぶことにした。
「なんだか気味の悪い人形だな」
パパはそんないじわるを言う。
「そんなことないもん!」
私はちょっとムクれて抗議するようにパパをにらみながら、お人形を胸にぎゅっと抱きしめた。
「ハハハ、お人形も恵美のこと好きになったみたいだぞ」
伯父さんに言われてあらためてココちゃんの顔を見る、ココちゃんの目が私を見てキラリと光る。私も好きだよ恵美ちゃん、ほんとにそう言ってるみたい。
ゴワゴワした茶色い布、伯父さんはコーヒー豆をいれる袋だよって言ってた、からできたココちゃんは、キラキラ光る黒いガラス玉の瞳を囲むように、刺繍でまつ毛が縫いつけてある。赤いフェルトの笑った口には貝で作ったほんものみたいな歯が並んでる。黄色の毛糸でできたフサフサと長い髪、服は伯父さんとお揃いみたいな虹色ワンピース。
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