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日に焼けて真っ黒な顔にチリチリした長い髪の毛の私の伯父さんは、背が高くてやせててペラペラした虹色の袖なしワンピースにパジャマみたいなダボっとしたズボンをはいている。長いビーズでできたジャラジャラの首飾りに腕輪までしてる伯父さんは、まるで女の人みたいだ。パパのお兄ちゃんだなんてきっと誰も信じないと思うな、だってまるで正反対なんだもん。
せっかく久しぶりに会ったのに不機嫌そうなパパはぜんぜんしゃべらないし、ママはキッチンでなんかしてて戻ってこない。だから私が伯父さんとたくさん話すんだ。
「マーケットにはね、赤や黄色やオレンジ色や紫、絵の具のパレットみたいにカラフルな野菜や果物がいっぱい積んであるんだよ。生きてるニワトリやアヒルまで売ってるんだからね」
「へえ、ペットにして飼うの?」
「違うよ、殺して食べるんだよ」
にこやかに話す伯父さんの声に、キッチンの方にいたママが思わずぎょっとした顔でこちらを振り返る。気付いてちょっと気まずそうな顔をする叔父さん。パパはテレビをじーっと見てるだけ。
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