おじさんがくれたお人形

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「……それに道路にはね、人や車やスクーターがぎゅうぎゅう満員で、横断歩道もないから反対側に渡るのも一苦労なんだ。そのうえ犬や牛までもがごっちゃになって歩いてるんだから大変さ」 「えー、牛も道路にいるの? すごいねえ!」  驚く私に伯父さんは 「あとね、トカゲを串にさして焼いて、それがおやつだっていう所もあるんだよ。バッタや芋虫を油でジュージュー揚げたのとか」  お母さんの視線が痛い。 「うわあ、まずそう! 恵美のおやつはポテチがいい絶対」 「ハハハ、あの子たちにとってはバッタがポテチみたいに美味しいんだよきっと」  ええー、そんなことあるかな。なんだか信じられないけど、伯父さんから聞く遠い国の話はいつも不思議がいっぱいで、持ってきてくれるおみやげはどれも珍しくてワクワクするものばかり。だから私は伯父さんが大好きなんだ。  その日の夜は、叔父さんがくれたお人形「ココちゃん」におやすみなさいを言ってからいっしょに眠って、そしたら夢を見た。
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