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それでも次の日の夜は、パパの声もママの声もなんにも聞こえなくて私とココちゃんは一緒にいっぱい遊べたの。ココちゃんは私に赤い実をくれて、かじってみたらそれはアイスみたいに冷たくて甘くて今まで食べたどんなものよりおいしくて。でも食べ終わる前に目がさめちゃった。
「伯父さんは今度いつくるの?」
私は夢の楽しい気分を連れたまま、朝ごはんのときママに聞いてみた。ママは困ったような顔をしてパパをみた。
「またどこか外国に行くって言ってたから、パパにもわからんよ。いつも突然フラリとやってくるんだからな」
パパは私よりママのほうを向いてそんなふうに言った。ママはだまって、ちょっとだけ怖い顔になったの。
その日の夜もココちゃんのいる島で遊んだ。でもしばらくしたら今度はパパとママ、二人でお話しする声が聞こえてきた。
「お義兄さん、いつまであんな生活続けるつもりかしら。恵美も大きくなってきたし当然のように来られてもねえ。それにあの風貌でしょう、ご近所の目もあるし教育上もよくないと思うのよねえ」
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