童貞ハラスメント

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「おはようございます」 「お、おおはよう、ございます」 今日も彼女はいつもどおり、可愛くて綺麗だ。 いや今日は一段と綺麗だ。僕が彼女の視界に入ることが既に犯罪かも知れないと思えてしまう程に。 現在、時刻は朝の7時32分。 毎日規則通りだし、時間感覚のしっかりした人だと思う。 どんな仕事をしているか知らないけど、きっと仕事も出来る人なんだろうな。 「夜勤とかですか?……いつも大変ですね」 「あ、ああ、いえ、そんな。みんな頑張ってるのは同じですから」 彼女はそう言って、労ってくれるけど、僕の仕事のきつさなんて、笑顔で人を幸せにしてる彼女に比べたら全くもって大したことないのだ。 「でも、きつそうな顔をしているところを見たことないですよ?」 「今の時勢、仕事があるだけありがたいですから」 僕には貴方の笑顔がありますしねっ! なんて言えるはずもないが、少なくても暗くてやな雰囲気を出して、彼女に挨拶してもらえなくなったら悲しいなんてもんじゃない。 というか、彼女に会えることが単純に嬉しいだけだけどね。 まぁそんなわけなので、お隣の彼女がドアを開けて、会社に行くタイミングで自分の部屋のドアを開けれるようにいつも調整してるのだ。 秒単位で。
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