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しばらく抱き合って
お互いの恋人不足を充分 補充した後、
お腹がすいた俺たちは散歩がてら外へでた。
コンビニでお弁当と花火を買って
旅館でバケツを借りてから
花火OKの砂浜へと向かった。
『夜は涼しいね~♪』
『だな♪』
『星、キレイだね。』
『うん。あと花火も。』
『うん。キレイ……』
『うん……』
線香花火と星。
2人でいると、よりキレイに見える。
海には入れなかったけど
今、楽しいからいいや……
なんて思っていたら
『……あーあ。
せっかくの海水浴だったのに…豪太、
海 入れなくて残念だったなー。』
ポツリと宏海が呟いた。
『…………え?
残念って……
宏海が海、入るなって……』
『ん?……まあ、そうだけど。
………はあ。』
宏海は終わった線香花火を
バケツに放り込んでから
俺を見て、大きくため息をついた。
『……………??』
『……豪太って、
普段、毛に守られてるから…なのかな?
意外と肌弱いでしょ?
なのに…剃ったばっかりの柔やわな肌で
海なんか入ったら………
絶対 滲みるし、絶対、痛い!!
それに……後から 絶対かぶれる!』
『………………え。』
……じゃ、じゃあ、
「海に入っちゃダメ」って
本気で怒ってたのって……
お、俺のため!?
『ひ…ひろ……………っ……』
あ、ヤバい
泣きそう……!
『あと…俺が女子たちと一緒にいたの
男子(バカ)たちに頼まれたから
仕方なく、だからね?』
『…………そ、そうなの?』
『そうなの!
もう…ず~っと まとわりついてきて
ウザいし、マジで 苦痛だった…!
頑張って耐えたけど我慢の限界でさ…
でも、あのまま帰ったら
一生 後悔する、って思って……
だから今、やっと豪太と
2人きりになれて、よかった…』
『……………う、うんっ////!
俺も……う、嬉しい…!!』
宏海の優しさが嬉しくて
抱きついて、抱きしめて
熱烈なキスをする。
ありったけの「好き」って想いを込めて。
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