濃い人 ~コイビト~ 【海水浴編】

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『ひ、ひろ……』 ああ…ダメだ…… 相談したくても 宏海は女子に囲まれていて (↑宏海はモテるのだ!) 囲まれていて…近づけそうにない。 ど、どうしよう… どうする? とりあえず今は服着てるからいいけど… 泳ぐとなったら脱ぐ…よな? 脱がなきゃ変だよ…な? 脱ぐ…… 脱…ぐ…… 脱ぐのか…….服を……… そして、晒すのか…… この……毛を…… この全身 毛むくじゃらな… この体を…… ゴクリ。 ど、ど、どうしよう…!! 脱いだら…… 脱いだら……俺……っ…! 絶対! 間違いなく! ドン引きされるぅぅぅっっ!!! 。 。 。 『行くぞ、豪太~!』 『そこのクーラーボックス運んでくれ~♪』 『重いぞー。ボケッとして落とすなよー?』 『───おっ、おう!』 頭の中は「毛」の事で いっぱいだけど 平静を装い、言われたとおり 足元にあったクーラーボックスを持って クラスメイトを追いかけ………ながら、 宏海の姿を探す。 『………あっ、いた!……あ………』 男子たちより少し先の方、 キャイキャイ騒いでいる女子の塊の中に ニョキッと飛び出している 宏海の後頭部が見えた。 どうやら、 あのまま強引に連れていかれたらしい。 重い荷物を抱えた俺は追いつく事が出来ず どんどん距離が離れていく。 なに、これ…… なんだ、これ…… 楽しくない……!! 全っ然、楽しくないっっ!! 宏海…… 宏海、カムバーックッッ!! 俺を1人にしないでぇぇぇ!!
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