16人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
『はー、はー』
や…
やっと追いついた……
重かったぜ!
こんちくしょーめっ!!
『ははは。』
『やっと来た~。』
『豪太、おっせーよ!』
『落としてねぇだろな?』
なんて笑う、悪友たち。
『お前ら……』
そこは
「お疲れ様」か「ありがとう」だろがっ!
『さ、泳ぐか!』
『おー!いこいこー!』
『女子の水着じゃー♡』
『豪太、荷物番よろしくー!』
『へ?……あ、おいっっ!!』
とっとと俺を置いていく悪友たち……
くそぉ…!
マジで重かったんだから
少しは労れって!
まったく、もう……
───って
荷物番!!
それなら脱がなくていいじゃん!
ひとまず…助かった…!
つーか、疲れたぁ……
膝に手をつき、息を整えていると
目の前に ヌッと タオルが現れた。
『……………?』
不思議に思って顔を上げると
そこには……
優しく微笑む天使(宏海)が立っていた。
『お疲れさま、豪太♡』
と、優しく微笑みながら
額の汗を拭いてくれる。
『ひ、宏海ぃ…♡』
うおぉぉぉ…♡
荷物、運んで よかった……!
そして荷物番で よかった……!!
ありがとう、神様っっ!!
『あー、あっついねぇ~。』
宏海が「よっこらしょ」と、
俺の横に座る。
『お、女の子たちはいいのか?』
宏海が傍にいるのが嬉しいクセに
さっき
女の子に囲まれてて悔しかった事
1人置いてかれて寂しかった事……を
思い出して
つい憎まれ口を叩いてしまう俺。
『んー?うん。
トイレ行くって逃げてきた。
………なに?
俺、女の子といた方がよかった?』
宏海の目がスーッと細くなる。
(これは、広海が怒る前のサインである)
「──っ、んなワケないだろっ!!
俺は宏海といたいし
宏海が一緒じゃないと楽しくないっ!」
慌てて、言い訳…ではなく
本音をぶちまける。
『そう?よかった♪俺もだよ♡』
優しい天使な笑顔の宏海に戻ってくれて
ホッと一安心。
それから暫くは2人して
ボーッと海を眺めて
泳がずして夏を満喫?していたのだけど……
『あー、楽しかったぁ!』
『豪太、サンキュー♪』
『交代しようぜ~!』
悪友たちが戻ってきて、ピンチ再来…!
しかも、
『宏海くぅん♪泳ごうよ~♡』
『海の中、気持ちいいよ~♡』
またしても
女の子たちが宏海を強引に
海に連れていこうと群がり始めた。
うぐうぅぅぅ!
俺の宏海にベタベタ触るんじゃねぇぇ!!
とか言ってやりたいところだけど
さすがにそれは……出来ない……
悔しいぃぃ…!!
『あー、めんどくさ……』
宏海が低く呟いた。
(これは、かなり怒っているサインである)
『え?』
『なに?』
『誰?』
女の子たちは
まさか宏海から発せられた声だとは
思ってもいないようで
キョロキョロと辺りを見回している。
その間に、
女の子の手を振りほどき
立ち上がった宏海は
『豪太も一緒なら行くよ♡』
と、ニッコリ。
おお!宏海ぃ……
ナイスリカバー!
────って……あり?
豪太も一緒なら……って…………
俺も一緒に…………
海に行くって事???
海に行くって事は………
服、脱がなきゃじゃんっっ!!
俺……っ…
俺……っ…
大ピンチじゃね!?
最初のコメントを投稿しよう!