濃い人 ~コイビト~ 【海水浴編】

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『えー?豪太くん~?』 『まぁ…仕方ないかー。』 『じゃあ、豪太くんも行こ?』 『…………』 “ じゃあ ” って…… おいおい。 それ…、かなり失礼…… 俺、全身は毛に守られてるけど 心臓(ハート)は繊細なんだぞ? 傷つきやすいんだぞ? ───って、 そんな事 言ってる場合じゃないんだってぇぇ! この…モジャモジャボーボーボディを 宏海以外のヤツらに見せる勇気はない…… つーか、毛深い事… クラスメイトに知られたくない… うー…… どうしようぅぅぅ…… 。 。(考え中) 。 ───あ! そ、そうだ…っ!! そうだった! こんな時のために…俺……っ! 『あの…!俺、トイレ行ってくる!  先に海、入ってて!』 とりあえず、アレだ! ここから逃げて… ……アレ!アレを使おう!! サンダルを引っかけ 走り出そうとする俺を 『俺も行く。』 宏海が追いかけるように立ち上がった。 ……けど、 『トイレなら さっき行ったじゃーん!』 『海、行こうよ~!』 『豪太くん、先 行ってるね~!』 『ごゆっくり~!!』 『チッ』 ──と、宏海が 舌打ちしたのも気づかないくらい 賑やかに、そして、またしても強引に 女の子たちが海へ引きずって行く。 むうぅぅぅ… 悔しい…… ホントはイヤだけど…… 今は…今だけは許してやろう…!! さあ! トイレ!トイレッッ!! 急げ、俺ぇぇぇ!!!
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