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リストラは突然に
「君今日限りで四天王クビね。」
「は?頭でも湧いたか?」
ここはかの有名な魔王城。その最奥にある魔族を束ねる王の部屋。
今日も今日とて世界各地からやってきた魔王討伐のための勇者パーティーを3組ほど撃退した俺に対してこいつはサラッと耳を疑うような言葉を告げてきた。
「ちょっとそれが上司に対する言葉遣い?そういう所がこのお城の風紀を乱してるんだからね?」
「魔族が風紀とか気にすんじゃねえよ。」
目の前にいる魔王は子供のような見た目の女子だがちゃんと魔王として君臨している。
「クビの理由は?言っとくけど俺は仕事でミスをした覚えはないぞ?」
俺がそう言うと魔王は人差し指をこちらに向けて声高らかに言ってくる。
「それが問題なのだよワトソンくん。」
「俺の名前はリゼルだ。」
「くぅー。ツッコミスキルは皆無とは・・・魔王さんショックだぜ。」
張り倒してやろうかこいつ。
「君が仕事出来すぎるせいで巷でなんと噂されてるか知ってるかい?」
巷とか言われても俺はこの城から出たことないから知らんがな。
「今の魔王は四天王より弱いんじゃないか説とか出てるんだぜ?」
「なんだそれ?」
まぁあながち間違いでは無いと思うがな。
「だって来る勇者来る勇者全員君が倒すから僕の出番がないんだよ?他の四天王からも君が他のものに仕事を回さないスタンドプレーが目につくって苦情が来てるんだからね。」
え?俺ちゃんと仕事して周りから苦情言われてるの?何この会社クソやん・・・
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