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固有スキル『瞬間記憶能力による完全習得』
名前にしたら分かりにくいが相手のスキル、魔法関係なく一度見たものを自分のものに出来る能力。
完全習得なので同じ魔法ではなく自分なりにアレンジすることも可能だ。例えるなら相手が風属性の刃を飛ばす魔法を使ったとする。俺はそれに他の属性を付与して新しい魔法として使うことが出来る。
それが俺の固有スキル『瞬間記憶による完全習得』だ。
とりあえずこのスキルは自分の中でON/OFFが切り替えられるのでよっぽどのことがない限り一先ずOFFにしておく。
瞬間記憶能力があるということは一度見たものを覚えるということだ。メリットもあるがデメリットも多い。そのひとつがかなり疲れるのだ。
なので日頃はOFFにして戦闘中どうしても勝てない時や一瞬で勝ちたい時だけONにしていた。
あとは普段のスペックを三分の一程度まで落とす。これで普通のヴァンパイアくらいになるはずだ。魔の森から人間領に行けばもっと落とす予定だがここには魔獣が居るので最低限の身体能力が必要なのだ。
「リゼルあとやることがある。」
「なんだ?」
他に思いつくことは無いのだがな。
「私たちはヴァンパイア。最悪血を飲めば問題ないけど人間領で生活するなら最低限の料理ができないと。」
「確かにそうだな。でも俺はそんなスキルないぞ?」
「私に任せなさい。」
「リル料理出来たのか?」
「予習はかんぺき。」
なんだ不安しかないのだが。どこからこの自信はやってくるんだ?
「ちなみにその根拠は?」
「私には『美味いんぼ』と『食卓のそうま』で培った知識が豊富にある。」
『美味いんぼ』『食卓のそうま』この二つは確か人間領で流行っている料理マンガと呼ばれる娯楽の筈だ。
そういえば前にリルの部屋を覗いた時たくさんのマンガが散らかっていたな。
「あの時のマンガか。」
「ふふふ。私には二大巨匠の血が流れている。問題ない安心していいよリゼル。」
「ちなみに作ったことは?」
「私には一度見た料理を完ぺきに再現出来る能力『ぱーふぇくとくっきんぐ』が備わっている・・・・・・はず。」
「そんなスキル聞いたことないわ。」
すっっっごい不安なんだがやる気を出しているリルにそんな事を言うほど俺も野暮じゃない。
まぁダメな時はこの期間で練習すればいいだけだろう。
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