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丁度近くにいい洞穴があったので今日はそこで一晩過ごすことにした。
「駄目だなこの辺の植物は魔素にやられて食べるのは難しそうだ。」
「そう。」
魔素に当てられた植物もきちんとした処理をすれば問題なく食べれるのだがあいにく今の手持ちに必要な道具はなかった。
ヴァンパイアなので別に食べようと思えば食べれるのだが初日からそんな冒険はしたくない。
「今日はご飯なし?」
「大丈夫だからそんな目をするな。」
不安そうにこちらを見つめるリルの頭をくしゃっと撫でてから空間魔法を開く。
「なにがでるかな?」
ワクワク感満載のところ悪いんだが今回出すのはただのご飯だからな?
「確かこの辺に・・・っとあったあった。」
目当てのものを二つ取り出し一つをリルに手渡す。
「これは?」
「昨日こっそり拝借していた弁当だ。」
魔王城は基本三食寝床付きという条件だがこの三食とは配給弁当の事で基本的に魔族は食事をしないので余ることが多い。
昨日変な胸騒ぎがした俺は厨房にお邪魔して余っていた弁当をいくつか貰っておいたのだ。
決して盗んだ訳では無い。ちなみに料理長とは仲良しなので顔パスで厨房に入れる唯一の魔族として有名だったのは余談ということで。
「腐ってない?」
「大丈夫だ。俺の空間魔法には時間停止の効果もあるから新鮮な魚もそのままの状態でずっと保存出来るからな。」
まじで便利な空間魔法様々だ。
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