魔の森

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「ごちそうさまでした。」 「ゴミ貰うぞ。」 味は普通だったので食べるところは割愛ということで。 リルから食べ終えた弁当をもらいそのまま袋にまとめて空間魔法にしまう。ポイ捨てとかする奴らはマジで許すまじ。環境破壊とかこの魔の森にあってないようなものだがな今後人間の領土で住むなら最低限のルールとモラルは必要だからな。 「夜になったね。」 「そうだな。魔物避けに火を炊いておくか。」 一応感知の魔法は常に展開してるので襲われる心配もないが時間が経つとこの辺りは冷えるからな。今の間に焚き火をしておくのがベストだろう。 「きゃんぷふぁいやー?」 「まぁ、似たようなものだな。薪になりそうな木を探してくるからスペースの確保をしておいてくれ。」 「かしこまり。」 リルは敬礼するとそそくさと目の前にスペースを作り始める。 それを見て俺も周囲に燃やせそうなものがないか探し始める。 「こいつは燃やせるな。これは・・・湿ってて駄目だな。」 最近降った雨のせいか湿っているものが多かった。 「なんとか薪になりそうな枝は集まったが問題は着火剤だな。」 木に火をつけるだけでは燃えない。あくまで火を大きくするために薪を投入するのだ。では最初の火種はどうするのか?これは人間領に行った時たまたま見た本に書いてあったサバイバル術というのを使おうと思う。 確かその本に書いてあった木がこの辺に・・・ 「あったあった。」 目当ての木を見つけその根元をよく探す。 「これだな。」 手に取ったのはマッツと呼ばれる木の果実だ。果実といっても木に実ってる間は美味しく食べれるのだが乾燥して食べれなくなったのものは重力で下に落ちるのだ。 そしてこのマッツの乾燥した実は火と相性がよく火種としてよく使われる。 後はたしかあれがあったはず・・・よし見つけた。 空間魔法から取り出したのは黒い石二つ。 これは火打石と呼ばれる擦り合わせると火花が出るのだ。
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