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「待って。」
城を出て少し歩いたところで不意に声を掛けられた。
「なんだリル見送りならいらないぞ?」
声を掛けてきたのは小柄な女子。普段はおっとりしてのんびり屋だがいざと言う時は誰よりも頼りになる四天王の一人。
「見送りじゃない。私もついて行く。」
背中に背負ってるリュックを見るに本気で俺に着いてこようとしているようだ。
「リルまで抜けたら魔王城が潰れるぞ?」
はっきり言うが俺とリルがいたから勇者パーティーに攻略されなかったと言っても過言ではない。
その二人が抜けたら明日にでも魔王討伐のニュースが世界を駆け巡るだろう。
「リゼルをクビにする魔王軍なんて潰れてしまえばいい。私には関係ないこと。」
「お前ってやつは・・・」
このリルという少女はある日たまたま寄った近くの村に居た元人間の少女だ。
元ということで気づく人もいると思うが今は魔人として生きている。そのきっかけを与えたのは俺なので独り立ちするまで面倒を見ることにしたのだが。
「ほら早く行こ?」
どこで間違えたのかこの通り独り立ちどころか依存してるような感じになってしまった。
「ほんとに着いてくるのか?」
俺がそう聞くとあからさまに不機嫌ですという表情を浮かべる。
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