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魔王城を出るとすぐ森がある。通称『魔の森』。
勇者パーティーが魔王城に辿り着くための言うなれば最後の試練となるダンジョンだ。
その理由が森にいる魔物が強いのと魔素と呼ばれる濃い魔力が人間にとっては毒になるからなのだが
「魔族の俺達には全く関係ないがな。」
「リゼルひとりごと?」
おっと口に出てたか。気をつけなければいけないな。
「リルは魔王城の外に出るのは初めてか?」
「うん。あそこにいれば不自由なかったから。リゼルに連れてきてもらってからは出たことないよ。」
「そうか。」
リルは元人間なのでこの森より更に人間領寄りで暮らしていた。魔族になったことで暮らしにくくなった為俺が連れてきたということだ。
ちなみに種族で言うと俺はヴァンパイアの最終形態と言われるエンシェントヴァンパイア。
リルはヴァンパイアの姫ヴァンパイアクイーンと呼ばれる種族だ。
ヴァンパイアは能力だけで言えば全種族最強と謳われている。しかし弱点も多く巷で言われている太陽光、十字架、ニンニクに加えて光魔法や雨なども苦手だ。
それはヴァンパイアクイーンであるリルにも言えることだった。
魔族領は基本的に闇に覆われているので光や太陽とは無縁だがこれから外に出るからには何かしら対策を立てないとな。
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