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先ずは拠点を作らないとな。
この魔の森には当然のごとく魔物が生息しているので食料に困ることは無い。というより最悪血を飲めば問題ないのだ。
「飲み水と家だな。」
「新居探し?」
その通りなんだがリルが言うと違った意味に聞こえるな。
「まあこの森にいる間の仮住居だから別になんでもいいが。」
「それはダメ。リゼルと私の愛の巣はしっかりしたものを建てないと。」
「愛の巣って冗談だよな?」
「・・・。」
無言はやめてくれ。でもチラッと見えるリルの表情はどことなく楽しそうなので冗談だろう。というか冗談であってくれ。
流石に魔の森にこの先住み続けたくないからな。きちんとした家は人間領に建てたいと考えている。
そのために俺もリルもこの森でやらなければならないことがある。
「リル今日は拠点とライフラインを確保する所までやるぞ。」
「分かった。明日からどうする?」
「それなら考えていることがある。」
「そう。リゼルが考えてるなら私はそれに従うだけ。」
「丸投げかよ。」
「違う頼りにしてるだけ。私はリゼルの事を信用もしてるし信頼もしてる。」
これは本音だろう。こちらを見る目がはっきりとそう告げている。
「面と向かって言われると恥ずかしいな。」
直視出来ず目を逸らした俺に対してリルは満足そうに微笑む。
「恥ずかしがるリゼル可愛い。いいもの見れたから今から頑張る!」
どうやら俺はリルに勝つことが出来ないようだ。
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