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🎵哀泣き笑い時代は流れた・・・🎵
『・・・・・・』
国道の向こう側に広がる海岸線
🎵強者達の夢の跡・・・🎵
『・・・・・・』
想像しながら待つ時間
🎵あの日の熱い僕はもういない・・・🎵
入場ゲートが開く瞬間を心待ちにしていた“あの時”と、どこか似ている
『・・・・・・・』
🎵燃え尽き・・・死んだはずさ🎵
【懐かしいです・・・】
あの夏の日とは、真逆の熱光線の下なのに
🎵もう一切 金輪際 Hush‼︎ Woh‼︎ Oh‼︎🎵
『・・・・・・』
いつでも、あの雨の中に帰れる
🎵嗚呼 人生 俗世間に目をそむけて・・・🎵
《カンカンカンカ・・・・》
持ち上がる遮断機
🎵「いい人だね」と皆に言わせて・・・🎵
それを合図に、ペダルに対して重心をかける
🎵無邪気に道化を演じてる・・・🎵
【あれから5年が経ちました】
🎵妬みと見栄の虚しい毎日・・・🎵
鼻先をくすぐる、一層濃くなった磯浜の香り
🎵今宵も・・・泣いてホロリ・・・🎵
【もしも、あの空の遥か上に繋がる回線があったら・・・】
🎵目一杯 精一杯 Guts!! Woh!! Oh!!🎵
どこまでも果てしなく高く広がる青さ
『・・・・・』
🎵嗚呼 人生 大惨敗へ Go!! Ready go!!🎵
【話したい事が、たくさんあります】
少しずつ潤みを帯びていく視界
🎵泣き濡れた僕は・・・🎵
【ありすぎて、ありすぎて・・・】
🎵惨めな Dirty old,dirty old man・・・🎵
徐々に迫る国道の表示看板の輪郭も、ぼやけて、はっきりしない
🎵夢のような過去が・・・🎵
『・・・・・・・』
【きっと一日中話してしまうかもしれません・・・】
🎵巡るよ Merry-go.merry-go-round・・・🎵
スッとハンドルから離れる片方の手
『・・・・・・・・』
🎵神が決めた小粋なルールには・・・🎵
目元の縁から、こぼれる雫を受け止め
通りすぎる景色の中へ受け流す
🎵早幾年 あやまちと無礼・・・🎵
『・・・・・・・』
次の瞬間の微笑みのために
🎵見舞い中・・・Woo,hoo・・・🎵
【今は、アプリというものもあって、通話代も気にせずに、話せる時代なんですよ】
🎵大事なものは若さじゃなくて・・・🎵
【そのうち本当に、天国にまで繋がる時代が、やってくるかもしれません】
🎵素顔のままのしなやかな日々・・・🎵
【何年、何十年先のことになるでしょうか?】
🎵振り向くほどに人生は悪くない・・・🎵
【その時は、ガチで話しまくりますので覚悟しておいてください】
🎵明日を・・・信じるならば・・・🎵
【ただ・・・】
《キュッ》
ハンドルを強く握りしめる
🎵もう一切 金輪際 Hush!! Woh!! Oh!!🎵
【今すぐ、伝えたいことがあります】
🎵嗚呼 人生 大逆転へ Go!! Johny go!!🎵
【今でないと、ダメなんです】
🎵うな垂れちゃ駄目さ・・・🎵
【どうか二件だけ、メッセージを送信させてください】
🎵踊ろよ Get it up,stand it up,man・・・🎵
【ひとつめは・・・】
🎵淋し気な夜は・・・🎵
国道の通り沿いに幾重にも往来する車列
そのバックグラウンドは、ほかでもなく、延々と続く渚
🎵流れる Radio,favorite songs・・・🎵
【“サザンが復活しました“】
🎵語りかける鏡の人物は・・・🎵
『・・・・・・』
🎵"Tell me what you see."🎵
正面に見えた海岸線は、もう、右に位置を替えている
🎵"What you see is me."🎵
《サァーー・・・》
平行して走る車道
🎵"I've got you.Woo,hoo."🎵
【あと・・・もうひとつ・・・】
🎵La la lu・・・🎵
【“私、今日で・・・”】
🎵夢じゃないアイ・・・🎵
【“24歳になります”】
『・・・・・・・・』
🎵泣き濡れた僕は・・・🎵
【なんて、返信をいただけるのかな?】
🎵惨めな Dirty old,dirty old man・・・🎵
『・・・・・・・』
🎵夢のような過去が・・・🎵
【あなたからの言葉を】
🎵巡るよ Merry-go,merry-go-round・・・🎵
【聞かせてください】
🎵うな垂れちゃ駄目さ・・・🎵
『・・・・・・』
🎵踊ろよ Get it up,stand it up,man・・・🎵
【聞きたいです・・・】
🎵愛されたいのさ・・・🎵
と、その時ーー
🎵涙の・・・🎵
《🎵》
『!』
メッセージ通知が入る
🎵Dirty old man・・・🎵
『・・・・うそ』
《キィーーー・・・・》
🎵恋に濡れた真夏の情緒にも・・・🎵
なるべく平静を保つよう
落ち着き払って自転車を止める
🎵早幾年・・・🎵
『・・・・・・』
《ドクドクドクドク》
🎵あやまちと無礼・・・🎵
あまりのタイミングのよさに、たとえ、あり得ない事だとしても、想像力と期待が、どんな非現実をも掻き立てる
🎵見舞い中・・・Woo,hoo・・・🎵
『・・・・・』
スマートフォンの画面を滑らそうとする指先に、脈動がはっきりと伝わってくる
🎵La la lu・・・🎵
《ドクドクドクドク》
”・・・もう!えいっ!“
🎵終わりじゃないアイ・・・🎵
《シュッ》
開いた画面には
『・・・・・・・』
🎵La la lu・・・🎵
分かってはいたが・・・
“そりゃあ・・・そうだよね”
ひとり苦笑いする
“・・・に、しても・・・”
肝心の相手を見ると、
『・・・“ほたる”ちゃんから?』
意外な人物
『・・・?』
そして、その内容
[茅崎先生、すみません、今、大丈夫ですか?]
『ん?』
首をかしげる
疑問をすぐさま返そうと、指先を慌てて叩く
[大丈夫だけど、どうしたの?]
文字が表示されるやいなや、すぐさま返ってくる
[すみません・・・急なお願い事なんで・・・]
『?』
[お願い事?何?電話で話そっか]
[えーとですね・・・]
『・・・・・・』
[ ]
[ ]
画面を埋める訳でもない妙な間が続く
『・・・・・・・』
いよいよいたたまれず
[今、どこにいるの?]
すると、
[職場にいます]
[じゃ、今から行くね!]
そう打つと、返事を見ようともせずに、くるりと自転車を反転させる
“あぁ~もぉう!時間ないのにぃ~!”
思い切りペダルに力を込める
『・・・・・・』
時々、こんな自分の性格が、たまらなく恨めしくなる時がある
【拝啓、茅崎 栞様】
《サァーーー・・・》
【私、茅崎 海 24歳ーー】
『・・・・・・』
【まだまだあなたには、追いつけません】
《サァーー・・・》
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