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熱を帯びる渚に一番似合うBGM
🎵愛を止めないで・・・🎵
人々は、知っている
この夏がいつにも増して特別な夏だということを
🎵君よあるがまま・・・🎵
砂浜で寝そべるカップルも
🎵揺れる想いを・・・🎵
波打ち際で遊ぶ親子連れも
🎵抱きしめながら・・・🎵
海上で波を待つサーファーも
🎵Anyway,ひとり身 のLonely girl🎵
このひと夏のBGMの意味を心の片隅に、浮かべている
🎵偽りのシャツに・・・🎵
遠くに霞む烏帽子岩
🎵ためらいのボタン・・・🎵
ぼんやりと寝ている江ノ島
🎵時代の流れに・・・🎵
サザンCのモニュメントの前で、ひっきりなしに、記念撮影をする観光客
『・・・・・・』
🎵身を震わせて・・・🎵
“懐かしいなぁ”
🎵Anyway, おぼれてる No, no, boy・・・🎵
あの夏の日から、4度巡った夏
ビーチは、人々の寂しさを、癒し続けていた
🎵みんなで空高く・・・🎵
そして
この夏、彼らは、カムバックした
🎵舞い上がれ・・・🎵
さらに大きな夢を引っ提げて
🎵やがて誰の心にも・・・🎵
『・・・・・・・』
“帰ってきたんだなぁ・・・”
🎵虹のカーニバル・・・🎵
『おかえり!』
『えっ!???』
背後からのいきなりの声
🎵この胸に・・・🎵
『・・・・・・・』
🎵抱いてた・・・🎵
ゆっくり振り返ると
彼女がいる
🎵ひそやかな・・・🎵
『もぉ~~!』
怒っている
🎵悲しみさえ・・・🎵
『・・・・・・まぁ、そんな怒るなって』
『・・・・・・・・』
🎵遠い夏の・・・🎵
『・・・・・・そんな、にらむなって』
『・・・・・・・・・』
🎵孤独な・・・・🎵
『・・・・・・・・』
『ふぅーーっ・・・』
🎵街並みはBlue・・・🎵
『こっちから電話しなかったら、私、ずっと駅で待ってたんだよ!』
『だって、海ちゃん、来ないからさ』
『メールしたでしょ!』
『俺もメールしたよ!』
お互いに指を指し合う
🎵大切な日々が・・・🎵
『・・・・・・』
『・・・・・・』
🎵やがて訪れて・・・🎵
それぞれ、自分のケータイを取り出し、確認する
『・・・・・・・・』
『・・・・・・・・』
🎵素敵な恋を・・・🎵
【茅崎 海 :12時33分 『20分くらい遅刻します(>_<)』】
🎵見つけたならば・・・🎵
【江島 ヒロシ: 12時33分 『サザンビーチで待ってます⌒(ё)⌒』】
🎵Anyway, 夢の中 Lonely girl・・・🎵
『・・・・・・・』
『・・・・・・・』
お互いに未読
🎵幾つもの夜が・・・🎵
『ナニ?この・・・“⌒(ё)⌒”って・・・』
『・・・カモメ』
🎵通り過ぎてゆく・・・🎵
『・・・・・・・ゴホン』
『・・・・・・・・』
🎵旅の重さに・・・🎵
『・・・・・ヒロ兄ちゃん・・・久しぶり』
『あぁ、久しぶり』
🎵疲れたならば・・・🎵
『何年ぶりになるかな?』
『えーと・・・』
🎵Anyway, 振り向かず No, no, boy・・・🎵
『私がここに来たのが、3年前だからぁ~・・・』
『3年ぶりか』
『意外に長いね』
🎵みんなで声合わせ・・・🎵
『あぁ、色々あったし』
『だよね』
🎵飛んでゆけ・・・🎵
『震災があったり・・・』
『・・・うん・・・』
🎵やがて雲の切れ間から・・・🎵
『桑田さんの・・・病気もあったな・・・』
『あぁー・・・あの時は、ビックリしたね・・・』
🎵風のハーモニー・・・🎵
『・・・まっ、今じゃあ、こうして、嬉しい夏を迎えてるわけだし!』
『・・・うんうん♪』
🎵いつの日か・・・🎵
『で、ヒロ兄ちゃん、今日は、どうするの?』
『そうだなぁ~研修の準備もあるしな』
🎵この場所で・・・🎵
『うちのアパートにイソーローしてもいいよ~♪』
ニヤッとする海
🎵逢えるなら・・・🎵
『ハっ!?』
『変な気起こさないならねぇ~♪』
🎵やり直そう・・・🎵
『ばーかっ、ちゃんと会社でホテル取ってあるよ』
『ふーん、そうなんだ』
🎵忘れかけた・・・🎵
『今日は、海ちゃんの顔を少し見れたらいいかな~と思って来ただけ』
『え、そうなの?』
🎵真夏の・・・🎵
『元気な顔を見たかったし・・・まぁ、心配はしてなかったけどな』
笑いかけるヒロシと目が合い
🎵恋人はYou・・・🎵
『!』
何故かドキっとする
『・・・・・・?』
『・・・・・ま、またまた~、そんな事言ってさぁ、観光目当てなんでしょ』
慌てて目を逸らし、キョロキョロと周りを見渡すと
『あ、あのサザンのビーチショップ!あれが目当てだったんでしょ』
指差す先には、たくさんのサザンファンや、一般客が集まっている
『いいよ~限定のTシャツとか、覗き見ブースとかぁ~』
一生懸命説明する
『あ、あのさぁ海ちゃん・・・』
『シャワーからは音楽が流れるしぃ~・・・それから・・・』
『う・み・ちゃん!!』
『・・・・・・・・』
『誕生日、おめでとう』
『・・・・・・・』
🎵この胸に・・・🎵
『え、あ、あの~あ~覚えててくれたんだぁ~ふーん』
『この3年、祝えなかったからさ』
🎵抱いてた・・・🎵
『べ、別に誕生日なんて、そ、そんな・・・この歳でさぁ、別にどうでもいいって言うか・・・』
『特別な歳だよな』
🎵ひそやかな・・・🎵
『・・・・・え?』
『海ちゃんにとっても・・・』
🎵悲しみさえ・・・🎵
『・・・・・・』
我慢していた涙が
溢れそうになる
🎵遠い夏の・・・🎵
『あとさ・・・これプレゼントって言うか・・・』
ヒロシが差し出す、丁寧に紙で包まれている“何か”
🎵孤独な・・・🎵
『・・・・・!』
赤く腫らした目で、見つめる
🎵街並みはBlue・・・🎵
『・・・・・・?』
ヒロシの手から受け取り
『・・・・開けていい?』
上目遣いで、ヒロシを見つめる
🎵熱い波が・・・🎵
『・・・・・・うん、いいよ』
うなずくヒロシも、少し緊張した面持ちでーー
🎵また揺れる・・・🎵
『・・・・・・・』
『・・・・・・・』
🎵いつの日か・・・🎵
『・・・やっぱいいや』
『?』
🎵この場所で・・・🎵
『うちで開ける』
『あぁ・・・』
🎵逢えるなら・・・🎵
『ありがと』
『おっ!』
『・・・・?』
🎵やり直そう・・・🎵
『海ちゃん、成長したなぁ~』
『・・・・え?』
🎵忘れかけた・・・🎵
『ちゃんとお礼が言えるようになったじゃない』
『・・・・・』
🎵真夏の・・・🎵
『・・・・・・ね?』
『ヒロ兄ちゃん・・・』
『・・・・・はい』
🎵恋人はYou・・・🎵
『ちょっと、私の涙返してよ~!』
ヒロシの腕を思いっきり叩く
『いってぇなぁ~』
『当然』
『じゃじゃ馬!』
『KY男!』
【拝啓、茅崎 栞 様】
『やっぱ前言撤回する』
『なにがっ』
【私は、今日で24歳になります】
『全然成長してないな』
『うるさい』
【あなたよりひとつ年上になります】
『サザンは成長して帰ってきたのになー』
『ふん!そっちこそ、むきになって子供みたい』
【でも、きっとあなたには、いつまでも追いつけないでしょう】
『俺は、がっかりだよー、もうちょっと、おしとやかになってるかなぁ~って』
『私のほうが、がっかりー、ただのオヤジ化してるし』
【だってーーー】
『なにぉ~!』
『なによ~~!』
【いつまでも、私のお姉ちゃんだからーー】
つづく
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