第1話 記憶喪失

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第1話 記憶喪失

(あれ?ここは何処? どうしてここにいるんだろう?) 突然目の前の景色に心当たりがなく 周囲を見渡してみるが何処かの住宅地と言う 事しか分からない。 おまけに今は昼だと思うけど全く人が通らない。 これじゃ、ここがどこだか分からないじゃない…。 (待って待って、落ち着け私。 とりあえず確認してみよう…。 えっと…自分の名前は 宮内 春(みやうち はる)。 よし、自分の名前はわかる。 自分の生い立ちも…何となくわかる。 よし、自分の事は分かってる。 じゃあ、たまたまこの場所が分からないだけ…? 多分今日は2019年7月…) その日付が間違っていないか確認しようと鞄の中から携帯を探すとある異変に気がついた。 見覚えない携帯が鞄の中に入っていたのだった。 (これは…誰の携帯だろう。 私の携帯じゃない) 恐る恐る液晶をタップすると 愛犬の雪の写真が映し出されていた。 (あれ?雪が映ってる?) ほっと安心したのもつかの間、そこに映し出された日付を見て目を見開いた。 2021年7月15日。 ……? 自分の目がおかしくなったのかと思い一旦目をつぶって再び画面を見つめる。 しかし、21という数字が19という数字には 変わっていなかった。 パスコードを入力してくださいと表示され とりあえず自分の誕生日を打ってみる。 ロックがすんなりと解除されて これは自分の持ち物だったという実感が湧いてくるが何故2年間のズレが生じているかは分からなかった。 (どうなってるんだろう…) その時に 見覚えのない着信が入った。
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