201人が本棚に入れています
本棚に追加
と、そんなことがあっての、翌朝だ。
隣に金色の頭が見える。
絹糸のような、とは、まさにこういう髪をいうのだろう。繊細にきらめく、長い金糸だ。指を通して持ち上げると、引っかかることもなくさらさら落ちていく。まるで光が広がっていくかのようだ。
どうも自分ではそう思っていないようだが、こいつはかなり美しい。オークが憎む類いの、いかにもエルフらしい無垢な美しさだ。雪のように真っ白な肌、整った顔立ち、細い顎、宝石のように透き通った水色の瞳、薄紅色の可憐な唇。
その唇を、初日に俺は散々吸ったのだ。身体中舐め回して、アソコにアレをぶち込んで、気が遠くなるまで味わい尽くした。
エルフを抱いたのは初めてだった。当然だろう? 奴らはオークには近づかない。汚くて臭いオークなんざ近づくだけの価値もないってわけだ。オークに「結婚して」だの言うこいつは完全に異常だ。
「う……ん」
夢でも見ているのか、アルノリアが眉根を寄せて深く息を吐いた。
花の香りが漂う。
俺はこの匂いを嗅ぐとムラムラする。ついさっきまで初日を思い出していたから、なおさらだ。
あれから五日、手は出さずにきた。正直こう、もの欲しそうな視線を感じてはいたが、あえて黙殺してきた。
そりゃあ、あの日のナニを思い出すとヤりたくもなったが、我慢した。なぜって、それは、さっき言っただろう。エルフにとってオークは汚くて臭い下等生物、オークにとってエルフは気取った厭味な傲慢生物。親しくなっても意味がない。
なんで組んで仕事をしているかって? 金のためだ。俺が交渉するより、エルフが交渉した方がまとまりやすい。嫌な話だが。
それで、だ。
俺は我慢してきたんだ。
その我慢も、そろそろ限界だ。
いいか、よく考えてみろ。こいつは毎晩俺の横で寝るんだ。同じベッドでだ。そりゃあヤりたくもなる。当然だ。
ともあれ、いま、アルノリアの寝顔を眺めながら、俺は思い出していた。こいつのアソコが、凄まじくイイってことを。
アルノリアが寝返りを打った。こちらに背中が向く。
服は着たままだ。エルフには夜着に着替えるという習慣はない。気温の差も感じないから、どの季節でも薄っぺらくてヤワな服を着ている。おまけに下着を穿く習慣もない。
俺は奴の裾をまくった。白い膝が露わになる。もう少し……、上まで上げた。腿が見える。つい触ってしまった。撫で回す感触がたまらない。前に手を滑らせて、ペニスを握った。くったりと眠っていたそれも、俺が揉んでいるうちに起き上がってきた。
エルフの呼吸が乱れる。
「ん……、う……」
俺のモノは目覚めた瞬間から臨戦態勢だった。早く解放したくてたまらない。
俺は自分の中指を舐めた。オークの唾液は粘度が強く、乾きづらいのが特徴だ。後ろを使ってヤるには都合のいい唾なんだ。
その指を、双丘の谷間に忍ばせる。あの具合のいい小さな孔を探す。気が急く。
やがて指がソコを探り当てた。すぐにでも突き立ててやりたかったが、こらえる。ゆっくり、傷つけないように、慎重に、指を中に挿れていった。
柔肉が、指にしっとり吸いついてくる。これだ。この感じ。中は潤っていて、やわらかいのに狭い。敏感なところに触れるときゅんきゅん締まって、挿れた時の快感を想像させる。
俺は逆の手を後ろからアルノリアの頬に回した。指で唇を突つく。
「ふ……っ」
奴は俺の指をくわえ、舐め始めた。
こいつ、本当は起きているんじゃないか? もしくは、寝ていても反応できるくらいヤるのが大好きになったか? いつか寝ている鼻先にペニスを突きつけてみよう。そっちも自分からくわえてくるかもしれない。
もう一本指を挿れた。くちゅくちゅ後ろをかき回す音と、指を舐める音、吐息と呻きが、淫らに響いた。
「アルノリア」
少し揺さぶると同時に、後ろの指を根本まで差した。
エルフが瞼を開く。
「あっ、や、何……っ?」
本当に寝ていたようだ。
「『何……?』じゃない。もう挿れていいか?」
「えっ? え、あっ、ん、うんっ」
「いいんだな? 挿れるぞ」
「い、い、けど……っ、朝……?」
寝込みを襲われているんだが、抵抗しないんだな。すごい奴だ。襲っていて言うことじゃないのはよくわかっていて言っている。
俺は下穿きから剛直を取り出した。アルノリアの脚を自分の脚で持ち上げ、間に滑り込む。拡げた門にモノをあてがい、徐々に進める。
「あ、あ、ゴグ……っ」
亀頭が肉襞に飲み込まれる。俺は一度そこで止まり、大きく息をついた。さっき指で感じた通りだ。潤んで、吸いついて、雄を誘う。
俺の自制心は称賛に値する。ああ、いますぐ奥まで突き上げて犯したい。それでもアルノリアのソコが慣れるまでは待ってやる。こいつの小さな孔が裂けたらかわいそうだろう? それに俺は、痛みで泣かせるより気持ちいいって啼かせる方が好きだ。
ちなみにアルノリアが小さいというのは俺と比較してだ。エルフは種族としてはそんなに小さくはない。むしろ人間なんかに比べると長身の方だ。
俺は細心の注意を払って、ペニスを隘路に埋めていった。穏やかに、焦らず。
「あ……、あぁぁ……はぁん……」
「いいのか? そんな大きな声で喘いで。外の奴らに聞こえるぞ」
俺は意地悪く囁いた。
「んん……」
アルノリアは口を閉じる。
そう。前回ひと晩中ヤった時は、宿の連中に声だの音だの聞かれた。こういう宿の壁は薄いものだ。おまけに俺もアルノリアも声を抑えようなんて思いつきもしなかった。
宿の連中は俺たちを見るとにやにやしたり、囁き合ったりしていた。オークとエルフの組み合わせだ、奴らもさぞ不思議だろうよ。連中に言ってやりたいぜ。こいつはオークが大好きな変態エルフなんだってな。
アルノリアのエロ声に興奮した奴もいるはずだが、いまのところ近づいてくるバカはいない。俺が怖いんだろう。
俺は後ろからアルノリアを強く突き上げた。
「ん!」
エルフが唇を噛む。
もう大丈夫だろう。俺は腰を振った。ペニスがアルノリアの奥まで深く分け入っていく。擦れ合うほど快感が高まり、ほかのことなんかどうでもよくなった。こいつを貪りたい。小さな孔を全部俺で埋めて、中にたっぷり出してやりたい。
「んんっ、んぅっ、うぁっ、あ、あぁん……っ」
抑えきれなくなったらしい。そりゃあそうだろう。ガン掘りされて静かに感じていられるような身体じゃない。
「気持ちいいか?」
「ふぁっ、ん、気持ちい……、いぃぃ……」
俺は奴の首にキスをする。
アルノリアはひくんと身を震わせた。
「ひぁん……」
「こっち向けよ」
顎を捕らえると、奴は素直に首を巡らした。その唇を舐める。出てきた小さな舌を、いやらしくねぶってやる。
「んんん……ふぅぅん……」
その間も腰は休まない。蕾がひくんひくんと締めつけてきて、これはどうやらもう絶頂が近そうだ。
「イきそうか?」
試しに訊くと、奴は二度、三度と頷いた。
俺は白い脚を持ち上げ、鼠径部が尻にぶち当たるほど激しく貫いた。
アルノリアが悲鳴を上げる。
「あん! あ、はぁ……、あぁぁっ」
真っ白な肢体が、がくがく震えた。エルフの精液――どうでもいいが、エルフに精液なんてものがあるんだとこいつを抱いた時俺は初めて知った。考えてみれば、繁殖するんだから精液もあって当たり前だ。だが、あんな澄ました奴らが射精するなんて想像もつかないだろう? まずもってペニスがあるってこと自体も奇妙に思えるが――それはいいとして、白濁した液体がベッドに飛んだ。
俺のはもちろん、アルノリアの尻孔に出した。最高に気持ちよかった。
最初のコメントを投稿しよう!