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「ねえ、ゴグも何か話してよ。ゴグの話聞きたい」
「お前が聞きたいのはオークの話だろ。俺の話じゃない」
「ゴグはオークだろ」
そうだが、違う。
どういうわけだか、俺は急に腹が立ってきた。
「なんの話でもいいならしてやるよ。もっと南の方に、コオルデって町があってな。そんなに大きな町じゃあないが、旅人が多いから宿と娼館が充実してた。そこでなじみになった男娼がいる」
バカエルフは「なんで俺にそういう話するの?」とでも言いたげな顔をしていた。
ふん。
「人間だ。かわいい奴だった。どこもかしこも小さくて、俺のモノなんか全部は入らなくてな。甘え上手だった。払った金よりちょっぴりだけサービスしてくれることもあってな、次はもっとしてもらいたいと思って、もっと金を払っちまう。あんまりかわいくて気に入ってたから、稼いだ金はほとんどそいつに使った」
「ああ、そう」
相槌は渋い声だった。
「アソコの具合もよかったな。『もっと奥まで挿れて』なんて言われると、こう、これ以上ヤったらこいつが壊れるんじゃないかってのと、それでももっと深く挿れて犯したいってのと、せめぎ合う気持ちが湧いたよ。いま思うとあれはあいつの手だったんだな。そういうギリギリのところを綱渡りしながら、客を自分に繋ぎ止めてたんだ」
「へえ、そう」
「口でするのも上手だった。ほとんど先っぽまでしかくわえちゃくれなかったけどな、出さないと逆に失礼かと思って口の中をアレでいっぱいにしてやったこともあった」
アルノリアはがばと起き上がった。
「してほしいならそう言えよ! 俺だってするよ! 口にいっぱい出せばいいだろ! ちゃんと全部飲むから!」
「お前、本当にエルフか?」
「だって!」
頬がふくれる。
「人間にできるなら、俺だってできるよ。先っぽだけじゃなくて、竿までくわえる」
そんなきれいな顔で、そんな卑猥なことを言うな。バカか。
「お前の口にはそのうち出してやる。それより、いまはこっちの方がいい」
俺はアルノリアの尻を軽く叩いた。
「もう一回できるだろ。来いよ。こんな話してたら勃っちまった」
「勝手すぎるよ!」
「なんだ? ヤるのは嫌か?」
「嫌じゃないけど、ほかの奴の話した後で、おかしいだろ!」
俺はアルノリアの腰を抱き寄せた。
「昔の話だ。俺がお前みたいに、大人になったばっかりって頃。あの頃はとにかく、誰でもいいからヤりたくてしょうがなかった」
アルノリアが笑った。
「それは、いまは俺とヤりたいって意味だよね?」
おめでたい奴だ。
俺はアルノリアの後孔を探った。まだ俺の出したモノで潤っている。いきなり挿れても痛くなさそうだ。
「上に乗れよ」
さっきまでの怒りはどこへやら。
アルノリアは嬉しそうに俺に乗り、唇を合わせてきた。
「うふふ。いまは俺だけがいいんだよね!」
拡大解釈だ。
まあ、いい。とりあえずヤりたい。あの頃気に入っていた男娼よりも、こいつを気に入っているのは確かだから。
身体をな。
「来いよ」
俺が誘うと、アルノリアは俺のペニスに尻を乗せて、孔を指で拡げて、自分から呑み込んできた。
「はぁ……っ」
その顔は、驚くほど淫らで、美しかった。
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