第四話 そんなことをしているうちに、二時間が経った。

1/6
前へ
/70ページ
次へ

第四話 そんなことをしているうちに、二時間が経った。

 朝が来た。  このところ寝覚めがいい。適度に身体を使って、ぐっすり眠るためだろう。夢は見ない。かつてないほどの、深く心地よい眠りが続いている。  思い返せば、故郷にいた頃から俺はろくでもない夢ばかり見ていた。たとえば――井戸の底から何かが這い出してくるだとか、何かに心臓を掴まれて引きずり出されるだとか。  原因はだいたいわかっている。兄貴のせいだ。ガキの頃から兄貴とは折り合いが悪かった。陰険な奴なんだ。誰も見ていないところで俺をバカにして、小突き回す。松明の火を押しつけられたこともあった。傷は治ったが、兄貴とは永遠に消えない禍根が残った。  そんなクソ野郎でも、ただ年長者というだけで敬わなければならないのがオークの掟だ。腹に据えかねて兄貴をぶちのめしたら、追い出されたのは俺の方だった。  いいさ。あんな村、どうせいつかは出ようと思っていた。しかし、それからも悪夢は続いた。眠れない夜が多かった。  俺は深々と息を吐いた。  隣ではバカエルフがすやすや眠っている。昨夜もヤったから、こいつもぐっすりだろう。脱ぎ捨てた服が床に落ちている。  俺はアルノリアの白い額を撫でた。長い金髪を払ってやる。  きれいな顔だ。  俺は指で奴の頬をなぞり、唇に触れた。こういうエルフの美しさは、「神が自らに似せて作った」というらしい。最近こいつから聞いた。その「神」とは創造主ルスターンのことらしい。ルスターンは先にサフィロトとウリルを同じような気持ちで作ったらしく、だからエルフは彼らのいわば「遅れた同族」なのだそうだ。  むろん、これはエルフの教義だ。オークの教義は――よく知らんが、ともかく、ウリルはオークに近い姿をした巨躯の神だといわれている。  アルノリアがふにゃんと笑った。  くそっ。なんだ、こいつは。隣にオークがいるというのに、ぐーすか寝やがって。油断しすぎだろう。 「ん……」  バカエルフは小さく呻き、唇に触れていた俺の指をぺろりと舐めた。  くそ。くそ、くそっ。  愚息が完全に起き上がっていた。 「アルノリア。ヤるぞ」  至近距離で囁くと、エルフは目を覚ました。俺を見て、今度は意識のある状態で笑う。 「うふふ……」  なんだ。気持ち悪い。  アルノリアは俺に両腕を伸ばしてきた。俺は逆に奴の脚を持ち上げ、自分の肩に乗せた。  指で孔を探ると、昨夜の名残があった。まだ大丈夫そうだ。指を二本。いやらしい音が鳴る。 「あぁ……、はぁん……」  こいつも、朝イチでも元気だな。 「もう入りそうだ」  俺は言った。言うと同時に、(俺も裸だったので)ブツを奴のアソコにぐいぐい押しつけてやった。 「あん……、いいよ……」  こいつ、だいぶ慣れてきたな。そりゃあそうか。ほとんど毎日ヤりまくっているからな。  突き入れる。アルノリアはびくりと震えたが、俺の方も息が止まりそうになった。  こいつの内側は俺にしっとり吸いついてくる。しかも何度ヤってもちゃんと狭くて、きつい締めつけに毎回すぐ持っていかれそうになる。何度ヤってもこれはいい。 「あぁん……気持ちいい……」 「かわいいな、お前」  ヤっている最中なら、いくらでも言える。これを言うと嬉しそうに笑うこいつでも、「事前と最中と事後の言葉は信じるな」は覚えているだろう。  俺はアルノリアの口を吸った。アルノリアも夢中で応えてくる。 「ん、んんっ……」  こいつの唇は甘い。なんにも食っていない時でも、ほのかに、なんともいえない、何にも似ていない味がする。それがなんなのか俺にはわからなくて、余計に知りたくなって口づけを重ねる。  小さな乳首を探りながら腰を突くと、アルノリアの呼吸が切羽詰まったものに変わってくる。 「はぁ、あんっ、だめ、もう……」 「俺もイきそうだ。中に出すぞ」 「ん……っ」  こいつはソレ(・・)を嫌だとは言わない。  俺は奥までぶち挿れて腰を使った。絶頂がやってくる。低く唸りながら、奴の中に射精すると……、アルノリアの陰部から熱いものが迸った。  全身白いのに、ソコは薄紅色だ。あとは乳首と、アソコ。隠しておかなきゃいけないところだけ、ほのかに色づいている。 「んん……」  アルノリアは小さく呻いて、どうやらそのまま寝てしまったらしい。イったら即落ちで寝るのか? 昨夜も、今朝もでは、ひ弱なエルフならそうなるのも当然か。いや、しかし、こいつはもしかしてエルフではタフな方なのか? 俺とヤるにもきっちりついてくるし。  俺は奴の身体を拭いてやった。まあ、アソコも拭いてやるとなると色気もなんにもなくなっちまうから、腹だけにした。それで元通り掛布をかけてやって、自分は服を着た。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加