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第四話 そんなことをしているうちに、二時間が経った。
朝が来た。
このところ寝覚めがいい。適度に身体を使って、ぐっすり眠るためだろう。夢は見ない。かつてないほどの、深く心地よい眠りが続いている。
思い返せば、故郷にいた頃から俺はろくでもない夢ばかり見ていた。たとえば――井戸の底から何かが這い出してくるだとか、何かに心臓を掴まれて引きずり出されるだとか。
原因はだいたいわかっている。兄貴のせいだ。ガキの頃から兄貴とは折り合いが悪かった。陰険な奴なんだ。誰も見ていないところで俺をバカにして、小突き回す。松明の火を押しつけられたこともあった。傷は治ったが、兄貴とは永遠に消えない禍根が残った。
そんなクソ野郎でも、ただ年長者というだけで敬わなければならないのがオークの掟だ。腹に据えかねて兄貴をぶちのめしたら、追い出されたのは俺の方だった。
いいさ。あんな村、どうせいつかは出ようと思っていた。しかし、それからも悪夢は続いた。眠れない夜が多かった。
俺は深々と息を吐いた。
隣ではバカエルフがすやすや眠っている。昨夜もヤったから、こいつもぐっすりだろう。脱ぎ捨てた服が床に落ちている。
俺はアルノリアの白い額を撫でた。長い金髪を払ってやる。
きれいな顔だ。
俺は指で奴の頬をなぞり、唇に触れた。こういうエルフの美しさは、「神が自らに似せて作った」というらしい。最近こいつから聞いた。その「神」とは創造主ルスターンのことらしい。ルスターンは先にサフィロトとウリルを同じような気持ちで作ったらしく、だからエルフは彼らのいわば「遅れた同族」なのだそうだ。
むろん、これはエルフの教義だ。オークの教義は――よく知らんが、ともかく、ウリルはオークに近い姿をした巨躯の神だといわれている。
アルノリアがふにゃんと笑った。
くそっ。なんだ、こいつは。隣にオークがいるというのに、ぐーすか寝やがって。油断しすぎだろう。
「ん……」
バカエルフは小さく呻き、唇に触れていた俺の指をぺろりと舐めた。
くそ。くそ、くそっ。
愚息が完全に起き上がっていた。
「アルノリア。ヤるぞ」
至近距離で囁くと、エルフは目を覚ました。俺を見て、今度は意識のある状態で笑う。
「うふふ……」
なんだ。気持ち悪い。
アルノリアは俺に両腕を伸ばしてきた。俺は逆に奴の脚を持ち上げ、自分の肩に乗せた。
指で孔を探ると、昨夜の名残があった。まだ大丈夫そうだ。指を二本。いやらしい音が鳴る。
「あぁ……、はぁん……」
こいつも、朝イチでも元気だな。
「もう入りそうだ」
俺は言った。言うと同時に、(俺も裸だったので)ブツを奴のアソコにぐいぐい押しつけてやった。
「あん……、いいよ……」
こいつ、だいぶ慣れてきたな。そりゃあそうか。ほとんど毎日ヤりまくっているからな。
突き入れる。アルノリアはびくりと震えたが、俺の方も息が止まりそうになった。
こいつの内側は俺にしっとり吸いついてくる。しかも何度ヤってもちゃんと狭くて、きつい締めつけに毎回すぐ持っていかれそうになる。何度ヤってもこれはいい。
「あぁん……気持ちいい……」
「かわいいな、お前」
ヤっている最中なら、いくらでも言える。これを言うと嬉しそうに笑うこいつでも、「事前と最中と事後の言葉は信じるな」は覚えているだろう。
俺はアルノリアの口を吸った。アルノリアも夢中で応えてくる。
「ん、んんっ……」
こいつの唇は甘い。なんにも食っていない時でも、ほのかに、なんともいえない、何にも似ていない味がする。それがなんなのか俺にはわからなくて、余計に知りたくなって口づけを重ねる。
小さな乳首を探りながら腰を突くと、アルノリアの呼吸が切羽詰まったものに変わってくる。
「はぁ、あんっ、だめ、もう……」
「俺もイきそうだ。中に出すぞ」
「ん……っ」
こいつはソレを嫌だとは言わない。
俺は奥までぶち挿れて腰を使った。絶頂がやってくる。低く唸りながら、奴の中に射精すると……、アルノリアの陰部から熱いものが迸った。
全身白いのに、ソコは薄紅色だ。あとは乳首と、アソコ。隠しておかなきゃいけないところだけ、ほのかに色づいている。
「んん……」
アルノリアは小さく呻いて、どうやらそのまま寝てしまったらしい。イったら即落ちで寝るのか? 昨夜も、今朝もでは、ひ弱なエルフならそうなるのも当然か。いや、しかし、こいつはもしかしてエルフではタフな方なのか? 俺とヤるにもきっちりついてくるし。
俺は奴の身体を拭いてやった。まあ、アソコも拭いてやるとなると色気もなんにもなくなっちまうから、腹だけにした。それで元通り掛布をかけてやって、自分は服を着た。
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