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俺は今朝のことを思い出していた。ヤったことじゃない、こいつがオークに襲われたことだ。
アルノリアの手を掴む。
「来い」
路地裏に入った。人気のないところだ。そこで俺は、アルノリアの身体を壁に押しつけた。
唇を重ねる。奴の腿を割って、自分の脚を間に入れた。お互いのモノがはっきり感じられるようにだ。舌を挿れて口腔を舐め回しながら、背や、尻を撫でた。
「ん……はぁ……」
唇が離れたら、今度は首だ。
ここを、あのクソオークは舐めたかもしれない。そう思うと怒りで目が眩んだ。アルノリアのせいじゃない、完全に俺のせいだ。それでも、俺は自分を抑えられなかった。
俺はアルノリアの首筋を執拗に舐めた。舐めて、吸って、痕を散らした。
「ん……、ん、あっ」
こいつは首も弱いんだ。
早くもアルノリアの腰が動いている。勃っていた。後ろなんか窄まりがひくひくして欲しがっているに違いない。
俺は奴の尻の谷間を探った。
「あ、だめ、こんなところで」
アルノリアが弱々しく抵抗する。
「いますぐヤりたい」
俺の欲は凶暴だった。こいつは俺のだ。俺のもの。
「壁を向け、アルノリア。こっちに尻を出すんだ」
「でも……、誰かに見られちゃう」
「誰も来ない」
アルノリアは躊躇しながらも、壁に向かって両手をついた。俺はその後ろにしゃがみ、裾からもぐって尻に顔を近づける。
アルノリアの尻肉を手で開き、その間に舌を突っ込んだ。舌先に力を入れて、入る限界まで深く抉る。当然顔は尻肉の間に埋もれた。
「やだ……恥ずかしい」
アルノリアがか細く嫌がるが、逃げようとは全くしていないところを見ると、これはポーズだ。むしろ後ろが潤うと同時に、前も期待で反り返っている。
舌でたっぷり濡らした。アルノリアの膝が震えていた。立っているのがつらいほど感じているんだ。
俺は立ち上がり、アルノリアに身体を密着させた。
「もっとこっちに尻を出せよ。挿れたいんだ」
「ん……」
奴は従順に尻を突き出した。俺は下穿きをずらして、ソコにペニスを埋めていった。あたたかくて、やわらかいくせによく締まって、とんでもなくイイ孔に。
「んんんん……、うぅぅ……」
外だから、あまり声を出せないんだろう。アルノリアは唇を噛んでいた。
俺も早く終わらせたい。強く突き上げた。膝がおぼつかないアルノリアを、後ろから抱きしめて支えてやった。
アルノリアもどこかで冷静なのか、自分のモノを手で包んでいた。イっても服が汚れないように、だろう。
俺は腰を振って奴と自分を追い立てていった。
「んっ、んんぅぅ」
「くっ」
ほぼ同時だった。
イった後も、俺はアルノリアを抱いていた。奴が怠そうにしていたから。
アルノリアは薄く笑い、俺を見た。
「今朝は無理をさせたかも、なんて言ってたのに……。一日に何回するつもり?」
息が切れている。
「試しただけだろ。これで俺にその呪符は発動しないってわかったな」
「発動する方は試せないね。ほかの誰かとしなきゃいけないし」
そう言われて、俺は引きつった。
何を勘違いしたのか、アルノリアは俺の胸を指で突いた。
「大丈夫だよ。ほかの誰ともしないから。呪符を試すにしても嫌だもん」
「ああ……」
俺はブツを引き抜き、身支度を整えた。
言わないでごまかそうと思っていた。その方がいいだろうと。だが、隠すのもずるい。少なくともこいつには、知る権利がある。
「お前を襲おうとしてた奴がいた」
「……え?」
アルノリアは瞬きする。
「今朝のことだ。俺が食事に出て戻ってみると、お前の上にオークが乗ってた。犯そうとしたんだろう。殴り飛ばして追い出したが、あれはたぶん同じ宿に泊まってるな」
「それ、本当?」
「ああ。だから呪符を買えって言った」
アルノリアは眉を寄せ、考え込んでしまった。
なぜだか俺は焦燥に駆られる。こいつが苦しむ姿は見たくない。なぜって……、こいつはアホだろう? アホはアホなりに、のほほんとしている方が自然だってことだ。
「たいしたことはされてないはずだ。少なくとも下は無事だ。触られるくらいのことはあったかもしれないが……」
「襲われてるのを見たのに、それを黙ったまま、いま自分がヤったの?」
くそっ。
どうにも決まりが悪い。こういう場面は苦手だ。俺が悪いんだからなおさらだ。
「言わない方がいいかと思ったんだ。お前が怖がるかもしれないし、別に、その、未遂だったわけだから」
「それはわからなくはないけど、なんでヤったの? ゴグらしくないんじゃない?」
「何がだ?」
「ゴグは優しいし、俺が怖がるかもしれないって思ってたなら、今日はそっとしとくんじゃないかなって」
「お前は俺を誤解してる」
とは言ったものの……。
俺は後悔している。いまこいつをヤったことも、ヤる前に話さなかったことも。そもそもあのクソオークを殺さなかったこともだ。
なんでこいつに詰められなきゃならないんだ。
「別にいいだろ。ただ……ヤりたくなったってだけだ。俺がお前をヤるのに理由が必要か?」
「いつもは別にいらないけど……」
変な目つきで俺を見るな。というか、やっぱりヤるのに理由は必要ないんだな。わかってはいたが。
くそ!
「お前は俺のだろ。自分のもんに触られたと思ったら腹が立って、俺のだってお前の身体に刻んでやりたくなったんだよ」
俺は何を言っているんだ。妙に汗が出る。
アルノリアの顔が明るくなった。それはもう、音がしそうなくらいに。
「いま、俺のだって言った? 俺のこと、自分のものだって言ったよね?」
ちくしょう。
俺は腕を組んだ。
「当然だろ。これだけヤってりゃあな」
「うふふ。照れないで。俺はわかってるから」
「何をだよ」
自分でもわけがわからないのに。
俺はアルノリアの肩を小突いた。
「帰るぞ。疲れた」
「うん」
バカエルフは俺の腰に腕を回してきた。これ以上はないくらい、嬉しそうに。
歩きづらい。
が、俺はこいつを離す気にはなれなかった。迷った末、肩を抱いた。
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