第四話 そんなことをしているうちに、二時間が経った。

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 そして、その夜だ。  ベッドに寝そべっていると、アルノリアがにやにやしながら俺を眺めていた。 「なんだよ?」 「んー? うふふふ」  だからその笑い方はやめろ。気持ち悪い。 「世界一かっこいいオークと出会えてよかったなあって思って」  言っていて恥ずかしくないのか。こいつにそう思うのは別にこれが初めてじゃあないが。  だが、俺は疑問だ。こいつは俺が好きらしいが、それは俺と最初に出会ったからっていうだけなんじゃないのか。結局誰でもよかったんだろう? オークなら。  俺は身体を起こした。 「事前と最中と事後の言葉は信用しない」 「いまは事前でも最中でも事後でもないだろ! せっかくいいこと言ったのに!」 「これからするから、事前だ」  俺はアルノリアの唇を奪い、襟の合わせを広げた。ちっちゃなかわいい乳首が顔を出す。 「もう、今日、何回め?」 「諦めろ。オークは絶倫なんだ」  俺たちはヤっているだけだ。ヤっているだけ。  だって、こいつの身体以外のどこに、惚れる要素があるっていうんだ?
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