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早々に先輩の時間割を入手したおかげで、一緒に過ごす時間が増えたのは素直に嬉しかった。
買い出しに行くと言えばくっついて行き荷物を持ったり、同じ授業に出れば席や資料を確保したり。
さりげなく俺に頼らせて、「ありがとう」と言うたびグレアを滲ませる快感を刷り込んでいく。
あわよくば、俺に依存してくれたら……そんな下心を必死に隠して世話を焼いていた。
そんな日常も万事休す、もうすぐ春学期が終わり長期休暇ももう目の前。
今年は夏合宿の予定も特にないため、2ヶ月近く先輩に会う理由がない。
これといった切り札も用意できないまま春学期の最終日を迎えると、思いもよらず先輩から飲みに誘われた。
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