6.ゼロ距離

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「恥ずかしくて顔を見られたくない」とかなんとか言われ、僕は今、真鍋に背中を向ける形で彼に抱えられて座っている。  僕としては今まで散々恥ずかしい台詞を言われてきたし、この体勢だって十分恥ずかしいのだが、彼の基準はよくわからない。 「先輩はDomなんですから、Subの俺にもっと命令してくれてもいいんですよ?」 「うーん、そうだね…………」  命令、か…………  そうか、真鍋はSubで、その欲求を満たしてあげるのは、確かに彼氏?の僕の役目なのかもしれないな。  でも、彼が好んで支配を受けたいと思っているようにはとても見えないし、正直僕は、人に命令して支配するのは性に合わないのだ。  それでも、もしも彼が本当は望んでいるのだとしたら……? 「真鍋は、本当に命令されたい? それとも、プレイをしたい?」 「俺は……支配されるなんてごめんだ、って思ってました」  そうだよな、僕にもそう見えた。 「けど…………」
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