6.ゼロ距離

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「けど…………先輩には褒められたい。グレアが欲しい。だから、命令されたい」  …………ダメだ。これはダメだ。  僕の後輩が可愛い過ぎるのだが……??  萌え死ぬとはこういうことか…………!??  我ながら、彼に陥落する日も近い気がしてきた。  しかしここは、冷静になれ、僕は先輩だ。  呼吸が乱れそうなのを誤魔化しながら、ありったけの理性を総動員して笑顔で振り向いた。 「そっか…………わかった。よく言えたね(Good)!」 「〜〜ッ! ああ、もう、だからそういうところ……!! 」  彼は僕の肩に頭をぐりぐりと押さえつけ、僕を抱え込む腕にも痛いぐらいに力が籠もる。 「はぁ……ほんとに……今すぐ押し倒したいけど、今日は我慢します」 「あ、うん、ありがとね……」  僕は何かを踏み抜いてしまったようだが、今のも褒めたほうが良かっただろうか。  そんなことよりそろそろ僕も、いろんなことを真剣に受け止める必要がありそうだ。  それでも今は、もう少しだけぬるま湯に使っていたい気分だった。
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