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「けど…………先輩には褒められたい。グレアが欲しい。だから、命令されたい」
…………ダメだ。これはダメだ。
僕の後輩が可愛い過ぎるのだが……??
萌え死ぬとはこういうことか…………!??
我ながら、彼に陥落する日も近い気がしてきた。
しかしここは、冷静になれ、僕は先輩だ。
呼吸が乱れそうなのを誤魔化しながら、ありったけの理性を総動員して笑顔で振り向いた。
「そっか…………わかった。よく言えたね!」
「〜〜ッ! ああ、もう、だからそういうところ……!! 」
彼は僕の肩に頭をぐりぐりと押さえつけ、僕を抱え込む腕にも痛いぐらいに力が籠もる。
「はぁ……ほんとに……今すぐ押し倒したいけど、今日は我慢します」
「あ、うん、ありがとね……」
僕は何かを踏み抜いてしまったようだが、今のも褒めたほうが良かっただろうか。
そんなことよりそろそろ僕も、いろんなことを真剣に受け止める必要がありそうだ。
それでも今は、もう少しだけぬるま湯に使っていたい気分だった。
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